人を“電気”で空へ、電動飛行機の実用へ成果続々 : 省エネ機器 (2/2 ページ)
スタートアップ企業だけでなく、大手企業も電動飛行機の開発を推進している。シーメンスは2017年4月に開発中の電気飛行機「Extra 330LE」のプロトタイプを利用し、世界最高記録である時速337.5kmを達成したと発表した。
「Extra 330LE」 出典:シーメンス
Extra 330LEは機体の前方に電動モーターを搭載しており、プロペラを回転させて飛行する。飛行を支えるのはシーメンスが開発した最高出力260kWのモーターだ。高出力ながら重量は約50kgと軽量である。機体の先端にバッテリーモジュールを搭載しており、2017年7月にはこの電力を利用して約10分間の飛行に成功している。
今回達成した時速337.5kmは、これまでの世界記録を13.48km上回った。シーメンスは大手航空機メーカーのAirbusと共同で、2030年までに100人乗り、飛行距離1000kmのハイブリッド飛行機を実用化する計画を掲げている。今回、世界記録を達成した電気飛行機に利用している高性能モーターや、その活用ノウハウはAirbusとの共同開発に生かしていく方針だ。
「Extra 330LE」のプロペラ部分とバッテリーモジュール 出典:シーメンス
液体水素で動く飛行機、実現するのか
オランダのライデン大学で教授を務めるJo Hermans氏は、ポスト化石燃料時代において、輸送機関に用いる最適な燃料を検討した。その結果、飛行機については液体水素が適すると結論づけた。太陽光や自動車についても検討結果を公開している。
太陽光発電だけで飛ぶ飛行機、4万キロの旅を終え世界一周を達成
太陽光だけで空を飛ぶ飛行機「ソーラーインパルス2」が2016年7月26日にアラブ首長国連邦のアブダビに着陸し、2015年3月から続けてきた世界一周の旅を完結した。
飛行機がハイブリッドになる、電気で飛べばCO2も騒音も少ない
ドイツのシーメンスが中心になって開発した電動の飛行機が初めての公開飛行に成功した。出力260キロワットのモーターでプロペラを回転させて、1トン近い重さの飛行機に推進力を与える。モーターとエンジンを組み合わせて100人乗りのハイブリッド飛行機を実用化することが最終目標だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.