北海道電力と東京電力パワーグリッドは、風力発電の導入拡大に向けた実証試験を開始したと発表した。地域間連系線によって両社の調整力を融通しあい、電力系統の安定化を図る。
北海道電力と東京電力パワーグリッドは、風力発電の導入拡大に向けた実証を開始したと発表した。既設の地域間連系線を活用し、東京電力の調整力を利用することで電力系統の安定化を図る。
系統連系する風力発電設備が増加するにつれて、電力システムの系統安定性は低下しやすい傾向にあることが知られている。今回の実証では、北海道電力管内に合計20万kWの風力発電設備を新規導入し、風力発電の出力変動調整が発生した場合に不足する調整力を東京電力パワーグリッドから融通を受けるというもの。
北海道電力は前日時点の出力予測値(30分値)に基づいて、スポット市場に電気を供出する。この市場に供出した電気と1時間前時点の出力予測値との差分を、地域関連系線を通じて調達される東京電力パワーグリッドの調整力と北海道電力管内の調整力によって充足する仕組みとなる。
この実証は2011年より計画が進められていたもので、試験に参加する最初の風力発電設備(6600kW)が2018年1月より運転開始するに伴い、実証が開始された。本実証では2021年3月末までに全12案件が順次運転を開始する予定で、その後の実証試験期間を経て試験結果の取りまとめを行うとする。
両社はこの実証により得られた知見を活用し、国内における風力発電をはじめとする再生可能エネルギーのさらなる導入拡大に向け取り組むとしている。
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