スマートエネルギーWeek 2019 特集

用水路で発電できるマイクロ水車、FITで売電も可能に自然エネルギー

NTNは、「スマートエネルギーWeek 2018」で、同社が開発・販売する小水力発電機「NTNマイクロ水車」の系統連系が可能なモデルを初展示した。0.5〜2.0kWの3モデルをそろえ、2018年4月からの発売を目指す。

» 2018年03月05日 07時00分 公開
[松本貴志スマートジャパン]

独立電源モデルに加えて系統連系モデルもラインアップ

 NTNは、「スマートエネルギーWeek 2018」(2018年2月28日〜3月2日、東京ビッグサイト)で、用水路に設置できる小水力発電機「NTNマイクロ水車」の系統連系モデルを初展示した。発電出力が0.5〜2.0キロワット(kW)の3機種を展開し、2018年4月からの発売を目指すという。

NTNマイクロ水車の系統連系モデル(クリックで拡大)

 NTNマイクロ水車は、落差の無い小規模な水路でも発電が可能なプロペラ式の小水力発電機。2017年7月より、蓄電池への充電や周辺設備の電源として用いる独立電源モデルを販売していたが、本モデルはコントローラーとパワーコンディショナーからなる系統連系システムと水車を1つのパッケージとして提供し、固定買取価格制度(FIT)による売電に対応した。

装置の構成(クリックで拡大)

 マイクロ水車は、幅750ミリメートル(mm)×水深750mm以上の大きさがある水路であれば、設置が可能となる。翼径650mmの機種では、流速2m/s(メートル秒)の水流で定格出力0.5kW、より大きな水路が必要となるが翼径1300mmの機種では定格出力2.0kWを発生する。

 水車の翼形状を工夫することにより、水流で発生するトルクを最大限に回転軸へ伝達することが可能になった。さらに、翼端に設置されたウィングレット(翼端を折り曲げた部分)が水流の乱れを低減することで、同一水路へ直列に水車を配置し発電出力を向上させることができるという。

3機種の仕様と直列配置の例(クリックで拡大)

 また、新たな機能として水路から水車翼を引き上げる「簡単引き上げ機構」を搭載した。本機能は増水時の故障予防やメンテナンスを想定し、水車横にあるハンドルを回転させることによって、力を必要とせず誰でも引き上げができるとする。

 販売価格については「出力1kW機種本体の参考価格として税別150万円程度」(NTN)としており、モデルごとに現在のFIT価格に見合う価格設定を行うとしている。今後さらなる改良を続け、高出力化も目指す方針だ。

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