IHIプラント建設は、JX金属が建設した下田温泉バイナリー発電所向けに、100kW(キロワット)級バイナリー発電装置「HEAT INNOVATOR」の引渡しを完了した。同装置は、熱源温度によって2機種のラインアップをそろえ熱源に適した機種選定が可能だ。
IHIプラント建設(東京都江東区)は、JXTGグループのJX金属(東京都千代田区)が静岡県下田市に建設した下田温泉バイナリー発電所向けに、同社として商用第1号機となる100kW(キロワット)級バイナリー発電装置「HEAT INNOVATOR」の引渡しを完了したと発表した。
同発電所は、源泉から湧出する110℃の温泉水を熱源として利用し、発電装置で使用される冷却水には井戸水を用いるなど未利用エネルギーで発電を行う。最大出力は110kW(発電端)で、発電した電力はJX金属が再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)で全量を売電する。
同装置は、温泉水や地熱の有効利用だけでなく、各種エンジン排熱・排ガス、工業炉・焼却炉・化学プラントなどの産業排熱、バイオマス燃料などの再生可能エネルギー熱源など多様な熱源に対応する。
また、同装置の作動媒体は電気事業法の小型バイナリー発電の規制緩和対象となる不活性ガス(HFC-245fa)を採用していることや、120〜200℃の熱源を対象とした高温機と80〜120℃の熱源を対象とした低温機の2機種のラインアップをそろえ、熱源に適した機種選定が可能なことが特長となる。
さらに、発電機本体は摺動部がないオイルフリー磁気軸受を採用し省メンテナンス性を向上した他、発電装置モジュール内にタービン発電機、作動媒体循環ポンプ、蒸発器、インバータ、制御盤がコンパクトに配置され省スペース化を図ったとする。
同社では、今後も同製品の温泉水や地熱の有効利用向けとしての採用を中心とした受注拡大に向けて営業活動に取り組み、再生可能エネルギーの活用による地球環境負荷低減への貢献を目指すとしている。
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