九電みらいエナジーは、九州電力が所有する地熱発電所である山川発電所(鹿児島県指宿市)構内で、地熱発電の未利用熱を有効活用する「山川(やまがわ)バイナリー発電所」が完成し営業運転を開始した。
九電みらいエナジー(福岡市)は、九州電力が所有する地熱発電所の山川発電所(鹿児島県指宿市)構内で、2016年8月から建設を進めてきた「山川(やまがわ)バイナリー発電所」が完成し、このほど営業運転を開始したと発表した。
地熱発電で最も一般的なフラッシュ方式は、地下深部から取り出した地熱流体(高温の蒸気・熱水)のうち、高温蒸気によってタービンを回転させ発電を行う一方で、熱水などの低温流体は発電利用ができず、井戸を通じてまた地中へ戻していた(還元熱水)。
今回の事業では、山川発電所で未利用だった還元熱水が持つ熱によって、空冷式バイナリー方式(使用媒体:n-ペンタン)で発電を行う。バイナリー方式では、水よりも沸点の低い媒体によってタービンを回転させることにより、フラッシュ方式よりも比較的温度の低い地熱流体での発電が可能となる。山川バイナリー発電所の出力は、発電端で4990キロワット(kW)。
同事業は、九州電力が還元熱水を供給し、同社が発電所を運営する九電グループ一体での取り組みとなる。九電みらいエナジーによる地熱発電所の建設は、2015年6月に営業運転を開始した菅原バイナリー発電所(大分県九重町、出力5000kW)に次いで2カ所目。
今後も九州電力と同社は、国産エネルギーの有効活用、地球温暖化対策として優れた地熱発電の積極的な開発、導入を推進する方針だ。
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