50MW級のバイオマス発電所を新設、大林組が茨城県で自然エネルギー

大林組が同社2カ所目となるバイオマス発電所の建設を決定。茨城県神栖市に建設するもので、木質ペレットやヤシ殻を燃料に利用する。2021年の稼働を予定している。

» 2018年06月07日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 大林組はこのほど、大林組グループの再生可能エネルギー事業会社である大林クリーンエナジーが設立した大林神栖バイオマス発電を通じて、茨城県神栖市に用地を取得し、同社2カ所目となる木質バイオマス発電事業を実施すると発表した。

 同事業は、大林組グループとして初めての、輸入バイオマス専焼による木質バイオマス発電事業となる。発電容量は51.5MW(メガワット)で、約11万世帯の年間電力消費量に相当する発電量を見込む。燃料は、独立した森林認証機関(FSC、PEFCなど)に認証された森林および生産過程を経て生産された木質ペレットを主とする。このほか、一部にパームオイルの搾(さく)油過程で廃棄されるヤシ殻も用いる。

 初期投資額は300億円で、今後1年間の設計期間を経て2019年春に建設工事に着工、2021年夏に営業運転を開始する予定だ。「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を活用して電力を販売する。年間売電収益は85億円を見込む。

 大林組グループは、2012年7月に営業運転を開始した太陽光発電事業を皮切りに、2018年5月時点で太陽光発電所28カ所、風力発電所1カ所、合計135MWの再生可能エネルギー発電事業を推進している。2018年夏には大林組グループとして最初のバイオマス発電事業である、「大月バイオマス発電所」(山梨県大月市、出力14.6MW)が営業運転を開始する計画だ。

「大月バイオマス発電所」の完成イメージ 出典:大林組

 大林組グループは、2011年2月に策定した中長期環境ビジョン「Obayashi Green Vision 2050」で、「2050年のあるべき社会像」を、「低炭素」「循環」「自然共生」に「安全・安心」を加えた「3+1社会」として捉え、その実現に向けた目標・計画を定め事業活動を行っている。今後も再生可能エネルギー事業の展開を進める方針だ。

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