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» 2019年02月04日 09時00分 公開

エネルギー管理:ブロックチェーンで“節電量を融通”、デマンドレスポンス成功率を高める

富士通がブロックチェーン技術を活用して、電力需要家の間で不足・余剰電力を取引できるシステムを開発。電力会社と需要家が協力して電力使用量を調整するデマンドレスポンスの成功率向上に活用できるという。

[スマートジャパン]

 富士通と富士通研究所は2019年1月、ブロックチェーン技術を活用し、工場や店舗などの電力需要家の間で不足・余剰電力を取り引きできるシステムを開発したと発表した。電力会社と需要家が協力して電力使用量を調整するデマンドレスポンスの成功率向上に活用できるという。

 デマンドレスポンスでは、電力会社からの調整要請を受け、需要家ごとの節電量をコントロールするアグリゲーターが仲介して、需要家ごとに節電量を割り当てる。要請された期間に電力削減量を達成した場合に、電力会社からアグリゲーターが報酬を受け取り、その報酬を需要家のそれぞれの節電量に合わせて配分する。しかし、需要家によっては、所有する自家発電機を起動する際の発電量の不足や、電力消費量の突発的な増加により、節電量を達成できない場合があり、報酬を受け取れないケースも見受けられる。

 一方で、デマンドレスポンスなどの普及を促進させるためには、需要家の節電成功率、ひいては報酬を受け取れる確率を高めることが重要になる。

 現状のデマンドレスポンスでは、アグリゲーターが各需要家と1対1のやりとりを行い、節電量の配分や達成可否の確認を行っている。需要家が求められる節電量の達成確率を高めるためには、もし節電量が不足している場合に、デマンドレスポンスに参加する他の需要家の節電量を迅速に融通する方法が一つの解決策として考えられる。

 富士通研究所は「デマンドレスポンスに参加する需要家の中には、節電目標の達成率にばらつきが生まれるケースも多い。非常に余裕を持って節電量を達成できる需要家がいた場合、節電量が不足しそうな需要家に迅速に融通すれば、全体でデマンドレスポンスを成功させられる確率が大きく高まる」と話す。

 出典:富士通

 そこで、これまでに開発したブロックチェーン技術を活用し、アグリゲーターと契約した需要家同士で余剰電力を相互に融通する取引システムの開発に取り組んだ。

 デマンドレスポンスでは、短時間で節電の可否を回答しないといけない場合がある。今回開発したシステムでは、まずは取引システムに登録されている売り要求から、融通可能な電力の総和を求め、買い要求の中から買える分だけ順番に素早く承認処理を確定する技術を開発し、迅速に可否を回答することを可能にした。また、回答後に確定済みの買い要求に対し、売り要求を無駄なく配分することで取引を最適化する技術も開発した。

 この2つのフェーズで構成する電力融通取引技術を適用した取引システムをブロックチェーン上で構築することで、これらの取引を記録することで電力融通の取引結果の透明性を保証しつつ、確定した売り買いの取引結果(電力の節電量)に基づいた報酬の正確な配分が可能になるとしている。なお、これらの技術について、特許を出願済みという。

 実際にこの仕組みを活用し、新電力のエナリスから提供を受けた、2018年の夏季と冬季における需要家20拠点分の消費電力データを利用し、需要家間での電力融通が可能になった場合のシミュレーションを実施した。この結果、従来の方法に比べて、デマンドレスポンスの成功率が最大で約4割向上することを確認したという。

開発した技術のイメージ 出典:富士通

 現状の成果はシミュレーションによるものだが、富士通と富士通研究所では今後、この仕組みを実環境で検証する方針。また、電力融通の際に環境価値を見える化する技術についても取り組みたいとしている。

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