需要拡大するリチウムイオン二次電池、市場規模は5年で2倍以上に蓄電・発電機器

調査会社の富士経済がリチウムイオン二次電池の市場調査予測を発表。2022年の市場規模は2017年比2.3倍の7兆3914億円に達すると予測している。

» 2019年02月13日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 調査会社の富士経済は2019年1月、リチウムイオン二次電池(LiB)の市場調査結果を発表した。xEV(電動車=電気自動車、プラグイン・ハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車)用、ESS(電力貯蔵システム)、UPS(無停電電源装置)、BTS(携帯電話基地局)用など、さまざまな用途において需要が拡大しているLiBだが、特にxEV用けん引し、2022年の市場規模は2017年比2.3倍の7兆3914億円に達すると予測している。

 この調査では、「小型民生用(シリンダ型、角型、ラミネート型)」「xEV用」「ESS、UPS、BTS用」の3品目のリチウムイオン電池をはじめとする二次電池8品目、一次電池8品目、LiB用制御部品5品目、LiB主要応用製品4品目、計25品目の市場を調査・分析した。

 小型民生用のLiBはシリンダ型が中心で、EV市場の拡大人伴って需要が増加している。さらに充電式電動工具や電動アシスト自転車向けも、ニカド電池からLiBへのシフトが加速している。角型はラミネート型への切り替えの影響から縮小していくとみられるが、ラミネート型はスマートフォンやウェアラブルデバイス向けが好調であり、小型民生用市場は拡大していくと予想される。

 xEV用は中国などを中心に市場が拡大している。中国では、乗用車の他、バスや物流などの専用車で電動化が進んでおり、今後も市場は大幅に拡大していくとみられる。

 ESS、UPS、BTS用では、再生可能エネルギー発電の普及に伴いESSで需要が増加している。BTSでは鉛蓄電池からLiBへの切り替えが進み好調である。また、5Gのサービスが2019年に欧米で、2020年には日本で開始になるとみられ、これによりBTSでLiBの需要増加が期待される。

リチウムイオン二次電池の市場推移予測 出典:富士経済

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