その太陽光発電、転売できない可能性も! セカンダリー市場に向け今必要な視点太陽光(2/3 ページ)

» 2019年02月20日 07時00分 公開

問題を抱える発電所が散見される日本

 現在横浜環境デザインでは新規案件だけでなく、セカンダリー案件についても積極的に取り扱いを進めています。その際、発電所の購入に必要なものとして、トラッキングレコード(運転実績)を必ず請求します。遠隔監視装置のIDやパスワードをもらい、正常に運転できているかなどテクニカルデューデリジェンスと、そもそも法令順守して作られている発電所であるかなど、一般的な法令関係のデューデリジェンスをおこないます。

 こうしたセカンダリー案件のデューデリジェンスを行う中で、そもそもきちんと施工されていない、JIS規格にも準拠していない、法令順守もしていない、適切なO&Mがされていないなど、問題を抱えている発電所が多いことに気付かされます。また、現在比較的売りが出ているのが低圧物件は、特に問題のあるケースが多いです。

 具体的には、草刈りなどを定期的に行っていないため、伸びた草の影によって発電能力が発揮されていない、モジュールを定期的に目視検査していないために、バックシートが焼け焦げている、土地が地盤沈下して架台が崩れかかっているなど、こうした問題事例は挙げれがきりがありません。法令に関しても、自治体の承認や条例を守っていないケースもみられます。下手をすると、撤去しなければならない発電所に遭遇することも珍しくありません。

地盤が崩れてしまった例
バックシートの焦げ(左)/サーモグラフ画像で異常発熱を発見した例(右)

 このように、事前のデューデリジェンスや適切なO&Mを行わなれていない発電所の場合、購入してから大きな問題が発覚したり、転売先のオーナーに多大な迷惑がかったりする可能性が非常に高いといえるでしょう。

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