東京ガスが都内のビル施設に対し、CO2排出量をゼロとみなすことができるカーボンニュートラル都市ガスの供給を発表。カーボンニュートラル都市ガスの供給は日本初という。
東京ガスは2019年10月23日、丸の内熱供給とCO2排出量をゼロとみなすことができるカーボンニュートラル都市ガスの供給に関する基本合意書を締結したと発表した。2020年3月より、三菱地所が所有する東京都千代田区のオフィスビル2棟に供給する。契約期間は2025年2月末までの5年間。日本国内においてカーボンニュートラル都市ガスを供給するのは初の事例という。
カーボンニュートラル都市ガスは、東京ガスがシェルグループから購入したカーボンニュートラルLNGを活用したもの。このLNGは、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生するCO2を、シェルグループの保有するCO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)している。そのため、このLNG由来の都市ガスを利用する場合でも、CO2排出量をゼロとみなせるメリットがあるという。
今回東京ガスと契約を結ぶ丸の内熱供給は、2020年3月から「丸の内ビルディング(東京都千代田区)、以下丸ビル」に導入されている固体酸化物形燃料電池(SOFC)と、「大手町パークビル(東京都千代田区)」で利用しているガスエンジンコージェネレーションシステム(CGS)それぞれで使用する都市ガスの全量について、カーボンニュートラル都市ガスを使用する計画だ。
丸ビルでは2019年3月から三菱日立パワーシステムズ製のSOFCとマイクロガスタービンを組み合わせたハイブリッド発電システムを導入しており、このシステムで発電した電力をビル内の一部で利用している。大手町パークビルは同ビル内の地域冷暖房プラントに2017年2月にから都市ガスによる発電と、その排熱を活用できるヤンマーエネルギーシステムCGSの導入と運用を開始。両ビルのシステムで利用する都市ガスをカーボンニュートラルなものとすることで、CO2排出量のさらなる削減を目指す狙いだ。
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