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» 2019年11月26日 07時00分 公開

法制度・規制:減らない「低圧太陽光の分割案件」を問題視、エネ庁が審査基準を厳格化

資源エネルギー庁が低圧太陽光の分割案件に対する審査の厳格化を発表。登記簿上の地権者の同一性について、これまでの「申請日から1年以内」という期限を撤廃し、確認を原則2014年度までさかのぼって実施する方針だ。

[スマートジャパン]

 経済産業省資源エネルギー庁は2019年11月19日、低圧太陽光発電の分割案件に関して、審査を厳格化すると発表した。維持コストや公平性などの観点から一部の意図的な分割案件が問題視されていたことを受けたもので、地権者の確認を原則2014年度までさかのぼって実施する方針だ。設備の設置場所の範囲や、分割の判断の考え方などについて示した「再生可能エネルギー発電事業計画の認定における再生可能エネルギー設備の設置場所について」を同日付けで更新している。

 低圧太陽光の分割案件とは、同一事業地において大規模設備を意図的に50kW未満などのシステムに分割した案件のこと。50kW未満の低圧案件として扱われれば、安全規制の適用などを回避できるため、発電事業に掛かるコストを削減できる。

 しかし、本来適用されるべき安全規制を回避することによる公平性や安全性への懸念、一般送配電事業者側が負担する設備維持管理コストの増加による事業者間の不公平や、電気料金への転嫁の発生、不必要な電柱、メーターなどの設置による社会的な非効率の発生などが問題視されている。

分割案件の例 出典:資源エネルギー庁

 資源エネルギー庁ではこうした分割案件への対策として、2017年度から発電設備の設置場所が隣接する場合、発電事業者または登記簿上の地権者(申請日から1年以内において同じ者である場合も含む)のいずれかが同一であれば、分割案件としてFIT認定を行わないことを発表している。

 しかし、JPEA(太陽光発電協会)の申請代行センターによると、2018年度における年度末申請約3万8000件のうち、35%に相当する約1万3000件が分割疑義案件で、その大部分が1〜1.5年前まで遡ると登記簿上の地権者が同一となっている。また、一般送配電事業者から現在においても敷地を分割して分譲販売用として設置する「集中型」の低圧事業用太陽光設備が確認されているといった報告もあるという。

 こうした状況を受け、資源エネルギー庁では、登記簿上の地権者の同一性について、2017年度から実施している「申請日から1年以内」という期限を改め、原則2014年度までさかのぼって調査を実施することとした。

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