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» 2019年12月06日 07時00分 公開

蓄電・発電機器:リチウムイオン電池の高性能化に貢献、有機物の混合で電極性能が向上

関西学院大学と大阪大学らの共同研究グループが、2種類の有機物を混ぜ合わせることで高い特性を示すリチウムイオン電池向け電極材料を開発。リチウムイオン電池の高性能化に寄与する成果としている。

[スマートジャパン]

 関西学院大学と大阪大学らの共同研究グループは2019年11月、2種類の有機物を混ぜ合わせることで高い特性を示すリチウムイオン電池向け電極材料を開発したと発表した。リチウムイオン電池の高性能化に寄与する成果としている。

 リチウムイオン電池の正極材料には、希少元素であるコバルトを用いた物質が使われているため、電池の低コスト化に向けて、より安価かつ高性能な正極材料が求められる。中でも有機材料は軽くて安価なため、正極材料の候補として注目されている。しかし、有機物の結晶内部にリチウムイオンが入り込む隙間を作り出すことが難しい点や、結晶が電解液に溶け出してしまい安定性が低いといった課題があり、優れた電気特性を発揮させることが難しかったという。

 研究グループはこの課題の解決に向け、中心に正の電荷を持つ円盤状の有機分子と、負の電荷を持つ円盤状の有機分子を混ぜ合わせた電荷移動錯体と呼ばれる材料を開発。単一の有機分子を用いた場合、分子同士の電荷が反発して密に詰まった構造を取る。一方、今回研究チームが開発した電荷移動錯体は、異なる符号の電荷を持った分子を1対1の比率で混ぜることで、2種類の円盤状分子が交互に積み上がった筒状の構造を形成する。これにより、筒と筒の隙間にさまざまな分子を取り込めるようになり、高速でリチウムイオンが出入りする高容量の電極材料を開発できたという。さらに、正負の電荷間の強い相互作用によって電解液への溶解も抑制できたとしている。

2種類の分子が作る隙間の様子と、分子が持つ電荷の分布(図下部)。正の電荷が青で、負の電荷が赤で示されている。分子の中心の電荷が逆になっていることが分かる。出典:関西学院大学

 研究グループは今回の成果を生かした、優れた特性の二次電池が開発されることで、さまざまな電子機器やモバイルデバイスの性能を大幅に向上させることが可能になる他、多種多様な有機分子を適切に組み合わせることで、単一の有機物では実現できなかった優れた電極材料の開発が期待できるとしている。

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