再エネ水素で「火力発電」が米国で実現、MHPSが専用タービンを受注蓄電・発電機器

三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が米国ユタ州で進む水素を燃料として利用するガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電プロジェクトから発電システムを受注。プロジェクトでは再エネ由来水素を活用し、2025年に水素混焼率(体積比による混合比率)30%、2045年までに水素100%での運転を目指している。

» 2020年03月19日 07時30分 公開
[スマートジャパン]

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は2020年3月、米国ユタ州のIPP(独立電力事業者)であるインターマウンテン電力(IPA)が計画する水素を利用したガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電プロジェクトから、84万kW級発電設備を受注したと発表した。

 GTCC発電設備は、米国ユタ州都ソルトレイクシティの南西約140kmに位置する石炭火力発電所の設備更新により建設するもの。発電設備はIPAが所有し、同社の最大株主であるロサンゼルス水道電力局(LADWP)が運営する。

 プロジェクトでは、2025年に水素混焼率(体積比による混合比率)30%で運転を開始し、2045年までに水素100%での運転を目指している。MHPSは同社が実用化した水素焚き大型ガスタービン技術を用いたシステム2基を中核とするGTCC発電設備を納入する。同社が同形式のシステム設備を受注するのは今回が初めてとなる。関連機器の納入と併せて、20年間の長期保守契約(LTSA)も締結している。

水素焚きガスタービンのイメージ 出典:MHPS

 水素の調達先として特に有力なのが、同じくユタ州内で計画されている、「先進的クリーンエネルギー貯蔵事業(ACES)」だ。MHPSも参画しているプロジェクトで、岩塩空洞の開発・運営会社であるMagnum Developmentが運営する岩塩坑に、太陽光や風力などの再エネを利用した水の電気分解により取り出した水素などを貯蔵し発電などに活用するというもの。MHPSは2019年にMagnum Developmentと提携し、100%再エネ由来では世界最大級という、100万kWクラスのエネルギー貯蔵施設の開発を目指している。

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