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» 2020年05月21日 07時00分 公開

ソーラーシェアリング入門〜番外編その3〜:見通しが効かない新興感染症の恐さ、新型コロナ後の持続可能な社会像を考える (1/2)

「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」について解説する本連載。前回に引き続き、新型コロナを受けての番外編として、社会全体の機能維持や持続可能性という観点から、アフターコロナの社会の在り方を考えてみます。

[馬上丈司 千葉エコ・エネルギー株式会社 代表取締役,スマートジャパン]

 前回前々回と千葉エコ・エネルギーが新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、どのように働き方の変化をさせてきたかを紹介してきました。前後編のどちらもアクセスランキング上位に長期間残り続けていて、コロナウイルス対策によって否応なしに、そして急速にライフスタイルが変わっていく社会に多くの方が関心を持っているのだと感じています。

 “アフターコロナ”という言葉が人々の口に上るようになって久しいですが、コロナウイルスの蔓延に対処してきた諸外国で出口戦略が語られるようになり、日本国内でも緊急事態宣言の解除が段階的に始まりました。感染拡大の第2波への懸念は残っていますが、徐々にコロナウイルスとの共存も意識された「コロナ後」を考える、あるいは話し合う機会が増えてきています。前回の記事ではアフターコロナとソーラーシェアリングについて言及しましたが、今回はもう少し視野を広げて社会全体の機能維持という観点からアフターコロナの社会像を考えてみます。

「見通しが効かない」新興感染症の怖さ

 コロナウイルスを含めて、新興感染症の蔓延というのは自然災害の1つだと考えられます。前回の記事の最後で、「新興感染症による社会変化は、私自身が10年以上前からイメージしてきた現代社会の大きなリスク要素」と書きました。この中で考えてきたリスクの1つが、終わりの見通せない状況が引き起こす社会経済活動の停滞です。

 台風や地震のような自然災害は、その発生によってどのような被害が生じるかはある程度事前にイメージできます。暴風であったり水害であったり、大きな揺れによる建造物の被害や津波災害など、「こうすれば逃れられる、被害を抑制できる」という対策の理屈が分かりやすく、また災害そのものが襲うのは短い時間です。直接的な災害が発生した後は、復旧・復興のフェーズに分かりやすく移行します。

台風や地震は短時間に大きな被害をもたらすが、すぐに復旧・復興が始まる

 一方で、新興感染症は「それがどんな性質のものか」が分かるまでにまず長い時間を要します。感染ルートであったり、発症後の症状であったり、死亡率やリスク要因が信頼できるデータとして判明するまでには多くの事例を集めていかなければなりません。今回のコロナウイルスも中国での感染爆発から4カ月以上が経過し、世界の感染者数は400万人を超えてきていますが、やっとどんな環境でウイルスが感染力を保ち続けるか、アジア・ヨーロッパ・アメリカでウイルスのタイプが違うことなどが判明したものの、地域ごとの死亡率の差異や重症化リスクの検証、有効な治療法について模索と議論が続いています。

 この被害の全容がなかなかイメージできない、終息時期が見通せない、そして収まったと思ったら再び拡大するという感染症対策は、じわじわと社会を疲弊させていきます。さらに、インフラの運営を担うプラントや事業所で、その業務に従事するスタッフ内で感染症が蔓延すると、発症者及び接触者の隔離によってインフラサービスの提供継続が立ち行かなくなるという事態が生じます。駅や郵便局、宅配便のセンターなどで感染者が出たことで、その機能が一時的に停止することは実際に国内でも起きていますが、専門的な人員を必要とし代替要員の確保が難しいものであるほど、このリスクは大きくなります。

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