再エネ系新電力の経営を一気通貫にサポート、みんな電力が支援サービスを本格展開自然エネルギー

みんな電力が再生可能エネルギーに特化した新電力支援サービス「まいける」を本格展開。エネルギーの地産地消などを目指す新電力に対し、事業の立ち上げから電源融通、需給管理など、事業運営に必要なサポートを一気通貫に提供する。

» 2020年06月26日 13時00分 公開
[スマートジャパン]

 みんな電力は2020年6月から、再生可能エネルギーに特化した新電力支援サービス「まいける」を本格展開する。エネルギーの地産地消などを目指す新電力に対し、事業の立ち上げから電源融通、需給管理など、事業運営に必要なサポートを一気通貫に提供する。

 電力自由化以降、全国各地でエネルギーの地産地消を目指す、コミュニティ型の新電力が登場した。ただ現在では、大手事業者との価格競争が激化するなど市場環境の変化を受け、経営難におちいるケースも増えている。また、電源調達に関する知見やノウハウが集まらず、設立目的であったエネルギーの地産地消に向けた取り組みを推進できない――といった課題を抱える新電力も多いという。

 こうした経営課題に対して、外部のコンサルティングや需給管理のアウトソーシングの利用を検討するケースもあるが、「エネルギーの地産地消を推進したいというビジョンを共有できなかったり、代行費用の高さからアウトソーシングの利用を断念せざるを得ないという声も多い」(みんな電力 ソリューション営業部 マネージャー 柿木景太氏)という。

再エネ特化型の新電力を“毎日助ける”

 みんな電力がこうした課題を抱える新電力に向けて展開するのが、再エネ特化型の新電力支援サービス「まいける」だ。同社の再エネ調達力や、新電力経営のノウハウなどを生かし、再エネに強い電力融通、ITシステムの提供、需給管理業務の代行など、各種の事業支援やコンサルティングを提供する。

「まいける」事業を担当するみんな電力 ソリューション営業部 マネージャーの柿木景太氏

 同社では新電力業務用の独自のクラウドシステム「ENECTION2.0」を持つ他、再生可能エネルギー電源由来電力のトレーサビリティシステムの提供も行っている。

 これらの既存システムやノウハウを活用し、新電力が求める柔軟な電源調達を提供するという。課題となるコスト面については、「需給管理代行については1〜1.5人分の人件費で提供でき、全体的にリーズナブルな価格で提供できるのが大きな特徴」(柿木氏)としている。

 みんな電力では既に2年程前から地域新電力の支援サービスを展開しており、「まいける」は今回これまでのそうしたノウハウを集約・パッケージ化したかたち。長崎県五島市で洋上風力発電の電力を利用したエネルギーの地産地消に取り組んでいる五島市民電力をはじめ、既に全国で10社の経営支援を手掛けているという。

 なお、「まいける」というサービス名称は、ユーザーが気軽に話しかけるように相談でき、「毎日(相談を)受ける、助ける、見届ける」というコンセプトを反映したものだという。

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