FITを使わない世界最大級300MWのバイオマス発電所、新潟県に建設へ自然エネルギー

イーレックスとENEOSが新潟県で世界最大級300MWのバイオマス発電事業を計画。 世界最大規模の発電所という性能面だけでなく、ポストFIT型のバイオマス発電事業としても非常に注目のプロジェクトだ。

» 2020年11月12日 08時00分 公開
[スマートジャパン]

 イーレックスは2020年11月10日、ENEOSと大型バイオマス発電所の共同事業化の検討について合意し、環境アセスメントを開始すると発表した。世界最大級かつ再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)を利用しない、国内初のバイオマス発電事業の確立を目指すという。

 発電所はENEOSが新潟県聖籠町に所有するゴルフ場に建設する。出力300MW(メガワット)規模を計画し、これは石炭火力発電所からの転換を除く新設としては世界最大級のバイオマス発電になるという。さらに、世界初という超々臨界圧のバイオマス発電所とする計画だ。年間発電量は約2000GWhを見込むが、発電した電力はFITを利用せずに売電する方針。

発電所の完成予想図 出典:イーレックス

 使用するバイオマス燃料については、ロシアから輸入する木質系燃料に加え、イーレックスがベトナム、フィリピンなどで燃料用途向けに試験栽培をしている、イネ科の植物ソルガムを主体とする計画だという。燃料量の使用量は年間120万トンを見込む。

 今後、環境アセスメントの手続きを開始し、2023年中に着工、2026年度の営業運転開始を目指す。営業運転開始後は、発電した電力を地元新潟県の需要家やRE100企業などへ広く供給することも検討する。

 世界最大規模の超々臨界圧のバイオマス発電所という性能面だけでなく、ポストFIT型のバイオマス発電事業としても非常に注目のプロジェクトだ。

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