パナソニックは2021年5月24日、純水素型燃料電池と太陽電池を組み合わせた自家発電で、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う「RE100化ソリューション」の実証に取り組むと発表した。本格的に水素を活用する工場のRE100化は、世界初の取り組みになるという。
パナソニックは2021年5月24日、純水素型燃料電池と太陽電池を組み合わせた自家発電で、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う「RE100化ソリューション」の実証に取り組むと発表した。本格的に水素を活用する工場のRE100化は、世界初の取り組みになるという。
企業の再エネ電力の調達手段は、大きく自家発電と外部調達の2つに分かれる。外部調達については、再エネ電源設備を保有する事業者との直接契約や環境価値証書の活用など、その種類はさまざまだ。事業活動におけるエネルギーを100%再エネ由来とすることをめざす国際イニシアチブ「RE100」加盟企業などは、これらの手段を組み合わせて再エネ比率100%を目指すことになる。
一方、環境価値証書には複数の種類が存在し、供給量や価格は市場に依存する。また、自社設置が可能な発電設備として普及する太陽光発電は、事業活動に必要な電力全てを賄うには広大な設置面積が必要であるうえ、天候の影響を受けるので発電が不安定であるなど、企業がRE100を目指す手段としては課題もある。
パナソニックはこれらの課題解決に向け、純水素型燃料電池と太陽光発電、蓄電池とを組み合わせたソリューションを考案。今回、滋賀県草津拠点に50kWの純水素型燃料電池と約570kWの太陽電池を組み合わせた自家発電設備、さらに余剰電力を蓄える容量1.1MWhのリチウムイオン蓄電池を備えた大規模な実証施設を設置する。
ここで発電した電力で草津拠点内にある燃料電池工場の製造部門の全使用電力を賄うとともに、3つの電池連携による最適な電力需給運用に関する技術開発および検証を行うとしている。なお、モデル工場となる燃料電池工場のピーク電力は約680kW、製造部門の年間発電量は2.7GWhとなっている。
パナソニックでは今回の自社実証において、水素型燃料電池の運用を含めたエネルギーマネジメントに関するノウハウの蓄積と実績構築を図り、自家発電により事業活動に必要な再エネ電力を賄う「RE100化ソリューション」の事業化を目指す方針だ。
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