太陽光×オフグリッドでEVの運用は可能か、日置電機らが実証実験太陽光

日置電機(長野県上田市)とYanekara(東京都台東区)が、電気自動車(EV)を蓄電池として活用したオフグリッドEV充電システムの実証実験を開始すると発表。日置電機の社用車EVを太陽光発電で充電する実証で、長野県上田市の同社本社で実施する。

» 2022年07月27日 17時00分 公開
[スマートジャパン]

 日置電機(長野県上田市)とYanekara(東京都台東区)は2022年7月25日、電気自動車(EV)を蓄電池として活用したオフグリッドEV充電システムの実証実験を開始すると発表した。日置電機の社用車EVを太陽光発電で充電する実証で、長野県上田市の同社本社で実施する。

 この実証ではで太陽光発電システムを備えるソーラーカーポートに、Yanekaraの開発するEV充電システム「YaneBox」を併設。このシステムを利用し、電力会社の送電網につながっていないオフグリッドの状態で、社用車EV3台を充電するための機能を検証する。日置電機の電力計測技術を生かし、電力の有効利用分と損失のバランスを測定することで、オフグリッド運用を行う際の最適な太陽光パネルと蓄電池の容量の算定を検証する狙い。また、安定的なシステム運用に最適なEVの運用なども調査する。

システムの運用イメージ 出典:日置電機

 Yanekaraの開発するYaneBoxは、一基で複数台のEVを充放電できるだけでなく、EVを太陽光発電の直流電力で充電することが可能なV2X機器。今回の実験では、YaneBoxに複数台のEVを接続し、そこから隣接する普通充電コンセントにつながるEVに給電することで、定置型蓄電池を使用せずにオフグリッド充電システムを実現することを目指す。

 このV2V(Vehicle to Vehicle)システムは、定置型蓄電池よりもkWh単価が安いEVのバッテリーを最大限活用することで、従来のオフグリッド充電システムのコスト面の課題を克服することが期待されるとしている。

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