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» 2021年12月06日 07時00分 公開

太陽光で発電する移設可能なガレージを新開発、岐阜県で新たなEVシェアサービスが始動実証ではなく「ビジネス」として社会実装!(1/4 ページ)

2022年1月11日、岐阜県多治見市において電気自動車(EV)のシェアリングサービスがスタートする。配備される車両は、トヨタの超小型EV「C+pod」(シーポッド)。この車両が15分あたり220円(税抜)の低価格で利用できるようになる。数社の連携によって実現したこのEVシェアリング事業の詳細をレポートする。

[川本鉄馬,スマートジャパン]

 日本政府が「2050年のカーボンニュートラル」を宣言するなど、エネルギーの脱炭素化や環境保全に対する関心が急速に高まっている昨今。こうした機運の高まりを受け、モビリティ分野においては、改めて電気自動車(EV)の普及に関する話題に注目が集まっている。

 岐阜県多治見市では、昨今注目を集めるEVと再生可能エネルギーを組み合わせた、新たなシェアリングサービスの準備が進んでいる。こうした先進的な取り組みは、実証フェーズのものが多かったが、今回の取り組みは、あくまで私企業がビジネスとして利益を追求するところに、活動のユニークさがある。

シェアリングサービスで使われるトヨタ製の2人乗り超小型EV「C+pod」。車両は、外装に樹脂を使い軽量に作られている。走行可能距離は最大150km。最高速度は60km/h。小さく小回りが容易なので、狭い道の走行にも向いているという。

 この取り組みは、大きく2本の柱から成る。1本目の柱はEVを時間貸しで使えるようにする「シェアリングサービス」。もう1本は既存の自動車からエンジンやトランスミッションなどを取り外し、電動化したパワートレインに換装する「EVコンバージョン」だ。

エネルギー事業のノウハウを生かし、「助成金なし」で社会実装を開始

 多治見市で展開されるこの取り組みの中心にいるのは、当地でエネルギー事業に携わる企業であるエネファントだ。エネファントは創業10年の若い企業ながら、多治見市を中心に再生可能エネルギー事業、小売電力事業、EVによるレンタカー事業などを展開している。今回の取り組みは、このエネファントを核に、地域の電気工事会社を含め、独自の技術やノウハウを持つ複数の企業が連携することによって実現した。

エネファントが展開する太陽光発電カーポート。軽自動車4台の駐車スペースで電気を発電する。現時点で189の設置が完了している。

 エネファントは、多治見市のエネルギー供給に深く関わりがありながらも、公企業ではなく営利を追求する民間企業だ。これは、今回紹介する取り組みに参加・協力する全企業についても変わりがない。

 エネファント 代表取締役の磯崎顕三氏は、自社について「エネルギーの“作る”と“使う”を最短でつなぐことを基本的な思想にしながら、地域の中でエネルギーを使うことをいかに最適化するかに挑戦している会社」と表現する。

 環境保全や地域経済の活性化などを目指した活動では、「実証実験」という形で期間を限定して行われることが多い。しかし、多治見市での計画は実証実験ではないので期間は限定されない。また、行政の協力はあるものの、公的な助成金などは一切受けていないという。

 今回の例は、民間企業が収支を勘案しリスクを担保した上で行う、リアルなビジネスとして計画・実行される。このような形で環境保全や地域活性化につながる社会実装が行われるのは、非常に珍しいといえるだろう。

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