ベースロード電源に対するアクセスの公平性確保や、その活用促進に向けて導入されたベースロード市場。導入から数年が経過し、複数の制度変更が行われたなかで、2023年度の第1回オークションの結果が公表された。本稿では制度変更の概要とともにその結果を解説する。
大手電力会社と新電力のベースロード電源(BL電源)へのアクセス環境のイコールフッティングを図り、更なる小売競争の活性化を図る仕組みとして、2019年にベースロード市場(BL市場)が創設された。
その2023年度第1回オークション(2024年度受渡し分)が8月31日に開催され、1年商品・固定価格取引の約定量は38.8億kWhとなった。
これまでBL市場では市場分断による市場間値差の拡大が問題視されていたが、その解消策の一つとして、今回のオークションから「九州エリア」が分割されると同時に、「北海道エリア」は「東日本エリア」に統合されることとなった。
また、これまでBL市場では1年商品(受渡し期間1年間)のみが取引されてきたが、長期商品取引の要望に応えるため、今回初めて、2年商品が取引された。これらの約定価格は表1、図2のとおりである。
2023年度オークションに向けては、BL市場の複数の制度変更が行われており、本稿ではその概要をお伝えしたい。
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