壁面にペロブスカイト太陽電池を設置、新施工法で6時間での導入を可能に太陽光

積水化学工業と物流事業を手掛けるセンコーグループが、倉庫や工場の壁面にペロブスカイト太陽電池を導入する実証実験を開始した。

» 2024年04月02日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 積水化学工業は2024年3月、センコーグループホールディングス、センコーと共同で、倉庫や工場の壁面にペロブスカイト太陽電池を導入する実証実験を開始したと発表した。同年3月22日からセンコー茨城支店 茨城PDセンター(茨城県古河市)で実証を開始している。

 ペロブスカイト太陽電池は、軽量かつ柔軟に製造可能という特徴を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは車体などの曲面といった、さまざまな場所に設置できる次世代太陽電池として注目を集めている。

 積水化学ではペロブスカイト太陽電池について、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築している他、発電効率15.0%の同電池の開発に成功。現在は実用化に向けて、1m幅での製造プロセスの確立に向けた研究開発や、実証実験に取り組んでいる。

 今回の実証では物流事業を手掛けるセンコーの倉庫施設の壁面に、1m四方のペロブスカイト太陽電池16枚を設置。導入にあたっては新たに開発した簡易設置法を採用することで、施工準備から配線収納まで6時間で完了することができたという。

導入したペロブスカイト太陽電池 出典:積水化学

 今後、発電能力の検証に加え、耐候性、特に耐風性について、3社共同で1年かけて検証を行うとしている。

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