ペロブスカイト太陽電池はフィルム型基板、ガラス型基板など複数の種類の開発が進んでいる。
フィルム基板型は軽量で応用製品の重量制限が少ない上、将来的には印刷技術を応用した量産化による生産コストの低減も期待されている。建物の壁面や窓、電気自動車などへの搭載に向けた研究開発が進められており、2030年以降に本格的な市場が立ち上がり、2040年の世界市場は5100億円と予測。用途では軽量・フレキシブルという利点を生かし、BIPV向けを中心にさまざまなな用途で活用されていくとみられる。課題は耐久性の低さや大型化であり、解決に向けた研究開発が進められている。
ガラス基板型は既存のシリコン用生産ラインを活用した製造が可能であることや、応用製品の用途が広いこと、耐久性や歩留まりといった生産技術の観点で難易度が低いことから将来的にも市場の多くを占め、2040年の世界市場は1兆8900億円と予想している。2024年時点ではBAPV向けを中心とした商用化が進んでおり、中国企業を中心に量産設備の稼働も増えている状況だ。
国内では、参入企業の開発注力度の高さから、当面はフィルム基板型が50%以上を占めるとみられる。PSC市場の拡大にともなってガラス基板型も増加し、2040年度の構成比は30%程度に落ち着くものの、海外と比較してフィルム基板型が多くを占めると予想している。
「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
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