太陽光の長期安定電源化へ新施策、適格事業者&発電所格付け制度を創設へ第62回「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」(2/4 ページ)

» 2024年06月05日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

太陽光発電事業の現所有者に求められるアクション

 他社への事業譲渡の有無を問わず、太陽光発電設備を定期的に点検・評価・メンテナンスを行うことは重要であり、適切に整備された電源であれば、安定的に発電・売電を継続する蓋然性が高まり、自ずと長期稼働させるインセンティブが高まると考えられる。

 今後は、点検等の実効性を高めるため、2025年春頃を目途に、点検等の実施状況をFIT/FIP制度に基づく定期報告項目に追加し、国への報告を求めることとする。新たな定期報告では、「太陽光発電事業評価技術者」などによる設備の定期点検(例:3年毎)を行い、災害・盗難等を含めた事業リスクを適切に評価することが求められる。

 また同じく2025年春以降、FIT/FIP認定事業者は、調達期間/交付期間終了後の事業継続に関する具体的な計画を作成することが求められ、この計画をFIT/FIP制度定期報告により、国に報告することとなる。

 なお、太陽光発電事業を他社に売却する際、買い手(集約先)が適切に事業評価(デューデリジェンス:DD)を実施するためには、現所有者は、支持架台の構造図や強度計算書など完成図書一式を提供することが必要であり、「アクション」案では完成図書を買い手に引き継ぐことが求められている。

 そもそもFIT/FIP「事業計画策定ガイドライン」では、完成図書を事業終了時まで適切に管理・保管することを求めているが、これを紛失した場合などは、スムーズに事業集約が進まないことも懸念される。今後は、事業集約に必要となるすべての書類(デジタルデータ)をあらかじめFIT/FIP認定申請登録時点でアップロードさせ、DXにより事業集約の環境整備を進めることも、国の重要な役割と考えられる。

太陽光発電事業の集約先(買い手)に求められるアクション

 事業の集約先(買い手)は、適切なリパワリングや蓄電池の活用、再エネ価値を評価する需要家へのアクセス確保などを組み合わせたビジネスモデルを確立し、購入した太陽光発電事業を長期安定的に事業継続していくことが重要である。

 このため国は、2025年春以降、長期安定的に再エネ発電事業を継続できる優良事業者を、「長期安定適格太陽光発電事業者(仮称)」として認定する仕組みを導入する。認定の要件としては、地域の信頼を得られる責任ある主体であることや、長期安定的な事業実施が可能な体制があること、FIT/FIP制度によらない太陽光発電事業の実施が可能であることなど、が想定される。

 「長期安定適格太陽光発電事業者(仮称)」は、一定規模の事業集約を行うことにコミットすると同時に、事業集約のインセンティブが付与される。インセンティブとしては、再エネ特措法で求めている事業譲渡時における住民への周知、説明などに関する一部の手続きの適正化・合理化などが想定される。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.