需給調整市場の商品のうち、週間商品(一次、二次①、二次②、三次①、複合商品)については、実需給の前週火曜日に開催される週間市場において取り引きされている。週間市場での取り引き後、調整力必要量に対してΔkWの調達が不調(未達)となった場合、一般送配電事業者はその2日後の木曜日に、市場外で相対契約により、追加で調整力調達を行うこととしており、これを「市場外調達」と呼んでいる。
なお、応札不足に伴う未達が恒常化している現在は、毎週全エリアにおいて必ず市場外調達を実施する状況となっている。
ところが現時点、9エリア中4エリアでは市場外調達による調達量はゼロであり、表3で記した5エリアの調達量も一次〜三次①複合募集量に対してわずかな量に留まっている。この理由は、週間市場において応札障壁と考えられている「市況価格変動・需給変動リスク」や「揚水発電所等の並列要件ネック」等は、2日後の市場外調達においても当てはまるためと考えられる。市場外調達においても未達となった場合、最終的には余力活用契約によって調整力が発動される。
また、北海道や関西エリアでは、週間市場取引と比較して市場外調達が高単価となっていることも明らかとなった。
なお、市場外調達において一般送配電事業者は調整力提供者に対して、メール等で調整力提供の依頼を行っており、その約定処理を含め、ハンド処理によってかなりの業務負担が発生している。また、市場外調達は相対契約を前提とした調達方法であるため、市場調達と比較すると取引価格等の透明性で劣後するほか、複合約定ができないといった課題もある。
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