一律の目標基準値設定が困難であることを踏まえ、給湯器の非化石エネルギー転換に向けた新制度では、製造・輸入事業者自らが目標を設定し、その自主目標を達成することを求めることとした。国は、自主目標設定にあたっての定性的・定量的な「目安」を提示することとして、その目標年度は遅くとも2035年度までのいずれかで指定する予定である。
なお本制度の対象は、ガス機器又は電気機器の生産量又は輸入量が一定数以上の事業者であり、石油給湯器は大幅な効率改善が技術的に難しいため、現時点では対象としない。
国が示す「定性的な目安」としては、温暖な気候特性の地域など、一定の条件(図4の「ア」)を満たす場合には、高効率給湯器(ヒートポンプ給湯機、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池)の出荷を求めることとする。
図4の「ア」以外の環境で、住宅の特徴等による導入制約がない場合には、潜熱回収型給湯器の出荷を求めることとする。2020年度時点で、全国での家庭用給湯器における潜熱回収型給湯器の割合はLPGで30%、都市ガスで40%、石油では11%と報告されている。
なお、定性的な目安は、今後の技術開発等を踏まえ、必要に応じて見直すこととする。また国は、定性的な目安に示す状況が国全体で実現された場合の、給湯器1台あたりの化石エネルギー消費量(加重平均値)を、「定量的な目安」として提示する。
新制度の対象となる製造・輸入事業者は、国が示す目安を踏まえ、製品出荷に関する取り組み方針を策定し、具体的な目標基準値の設定を行う。事業者は、自社の取り組み方針や目標基準値を公表し、目標年度には、目標の達成状況等を国に報告することが求められる。
また事業者は、取り組み方針及び目標基準値に関する補足事項について、任意で公表することも可能とする。
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