営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)について解説する本連載。今回は2024年度末に向けて大詰めを迎えている、各種政府計画の策定において、ソーラーシェアリングがどのように取り上げられているのかを整理します。
新年あけましておめでとうございます。2025年を迎え、エネルギーや農業を巡る政策も新たな区切りを迎えようとしています。今回は、2024年度末に向けて策定議論が進む各種の基本計画などにおいて、営農型太陽光発電がどのように取り上げられているのかを見ていきます。
エネルギー政策を巡る議論では第7次エネルギー基本計画の原案が年末に公表され、経済産業省と環境省が策定を進める次期「NDC(国が決定する貢献)」に向けた地球温暖化対策計画案もまとまりつつあります。農林水産省が所管する食料・農業・農村基本計画も審議会での議論が中間的な取りまとめを迎え、同時に農林水産省地球温暖化対策計画も骨子案が出てきています。
また、環境省が地域脱炭素ロードマップの先に向けた「地域脱炭素2.0」を含む、地域脱炭素政策の今後の在り方に関する検討会の取りまとめも、昨年11月に行われています。
こうした各種の計画等において、農林水産省地球温暖化対策計画を除くといずれも営農型太陽光発電に関する言及がなされています。こうしたそれぞれの計画案等において、営農型太陽光発電がどのように取り上げられているのか個別に整理していきます。
第7次エネルギー基本計画の原案は、昨年12月17日の総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会(第67回会合)で公表され、2040年度におけるエネルギー需給の見通しにおいて発電電力量の増加と、再生可能エネルギーの電源比率4〜5割程度といった数値が注目されました。
その中で、太陽光発電が22〜29%(12月25日の第68回会合の資料では23〜29%)という比率となっており、2024年度時点で想定される国内の太陽光発電導入量の2〜3倍程度に増加する計画となっています。そうした数値の見通しが示される中、原案の中では営農型太陽光発電について「発電と営農が両立する営農型太陽光発電については、事業規律や適切な営農の確保を前提として、自治体の関与等により適正性が確保された事業の導入の拡大を進める」という記述がなされています。
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