図2下段にあるとおり、「メタノール合成」では合成ガソリン等を製造するプロセスの中間生成物として、メタノール(CH3OH)が生成される。現時点、メタノールの大半は化石燃料由来であり、塗料やプラスチック等の原料となるほか、船舶やボイラー等の燃料としても使用されている。
国際海運については、国際海事機関(IMO)が世界的な温室効果ガス(GHG)削減目標を定めており、EUでは船舶燃料のGHG排出規制を導入することが決定している。
このため、世界的に従来の重油から、より低炭素な代替燃料船として、LNG燃料船やメタノール燃料船等への置き換えが進むと考えられている。メタノール(化石燃料由来)船の場合、重油と比べ、SOxは▲99%、NOxは▲80%、CO2は▲15%程度の削減効果が見込まれる。
さらに化石燃料由来メタノールから、合成メタノールやバイオメタノールへの転換により、大幅なGHG排出削減が可能となり、世界的な生産能力は数年内に800万トン/年程度へ到達すると予測されている。もちろん、合成メタノール・バイオメタノールは必要に応じて改質を行い、SAFや合成ガソリンを製造することも可能である。
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