追加オークションの開催判断にあたっては、2022年度メインオークションで一旦確保した契約容量等が、その後どのように増減しているか、最新の状況を確認することが必要となる。
供給力の減少要因の一つが、容量市場からの退出である。2022年度メインオークション(対象実需給年度:2026年度)で落札し、一旦、容量確保契約を締結した電源の1億6,271万kWのうち、市場退出見込み容量は533万kW(3.3%)に上る。この内、安定電源や変動電源の市場退出量は約329万kWであるが、これにはブラックスタート機能(BS機能)公募の契約電源(揚水発電等)は、容量市場の契約容量と重複する部分について、容量市場から部分退出することと整理された約131万kWが含まれる。なお、ブラックスタート電源が部分退出した容量の一部(約57万kW)については、需給ひっ迫の際には容量市場外の供給力として活用することとしている。
発動指令電源の市場退出量204万kWのうち、電源等リストの未提出分が63契約・42万kW、実効性テストの未達成容量が162万kWであった。
なお、発動指令電源は、メインオークション約定量からの市場退出率が約35%とかなり高い数値となっている。この理由の一つとして、発動指令電源はメインオークションにおいて調達上限(2022年度オークションでは全国H3需要の4%)が設けられていることが指摘されている。調達上限があるため、確実に落札するために、応札価格を0円/kWとする事業者が大半であり、シングルプライス方式で決まる約定価格の決定後に、自社のDR発動コストがこれを上回る場合、十分なDRリソースを確保できないため、自ずと市場退出率が高くなると考えられる。
そのほか表6のように、③FIT電源等の期待容量の増加、④容量市場外の見込み供給力、⑤石炭とバイオマスの混焼を行うFIT電源の供給力を足し上げると、現時点確保されている2026年度供給力は1億8,163万kWとなった。これは、2022年度メインオークション時点の供給力と比べ、217万kWの減少である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10