駅ホーム屋根にペロブスカイト太陽電池を導入 JR九州などが実証実験：太陽光

JR九州、エネコートテクノロジーズ、日揮の3社は、博多駅ホーム上にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置する発電実証を開始したと発表した。

[スマートジャパン]

　九州旅客鉄道（JR九州）、エネコートテクノロジーズ、日揮は2025年10月21日、博多駅ホーム上にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置し、同日より発電実証を開始したと発表した。

　今回の実証では、JR九州が博多駅第２ホーム先端の屋根上に、エネコートテクノロジーズが開発したペロブスカイト太陽電池とそのモックアップ（模型）を設置。日揮が独自に開発した「シート工法」を用いることで、駅ホーム屋根という安全面と短時間施工への配慮が必要な場所において、安全性と運用性を両立したという。

　日揮のシート工法は、ペロブスカイト太陽電池などの軽く曲がるという特性を生かしたもので、シート上に太陽電池を取り付けて一体化したモジュールを、屋根などに貼り付けるだけで設置ができるというもの。グリッパーと呼ぶスリットのある筒状の金具で屋根に固定する仕組みで、施工が容易かつ着脱しやすいなどのメリットがあるという。

導入したペロブスカイト太陽電池　出典：JR九州

　発電実証実験では当面の間、ペロブスカイト太陽電池の発電状態や取り付け状態を確認し、発電量や耐久性などのデータを収集する。得られたデータをもとに、ペロブスカイト太陽電池やシート工法の開発に生かすことで、次世代太陽電池の早期社会実装を目指す方針だ。なお、駅ホーム屋根におけるペロブスカイト太陽電池を用いた発電実証実験は、国内初の取り組みになるとしている。