2026〜2027年度の一送10社の平均原価構成において、投資項目(CAPEX・次世代投資)は約3割を占め、費用項目(投資項目以外)は約7割を占めている。レベニューキャップに物価等の上昇を反映させるにあたり、これらの投資/費用項目に、それぞれどのような物価指標を適用するかが論点となる。
料金制度専門会合では図4の3つの案の比較検討の結果、案②のように、費用項目に対しては消費者物価指数(総合)を適用し、投資項目に対しては、建設工事費デフレーター(電力)を適用することとした。
この方法を採用する場合、費用項目は6.3%の上昇、投資項目は7.8%上昇、全体では6.8%の上昇になると試算された。これは他の案①や③と比べて、送配電網協議会による報告(表1:費用項目+7.4%、投資項目+17.2%、全体+9.6%)に近い上昇率であり、消費者の託送料金負担が一定程度抑えられると同時に、電気工事事業者の賃上げ等にも資するものと判断された。
また、物価等上昇の影響額算定の基準年度としては、第1規制期間は2017〜2021年度を参照期間としていることを踏まえ、2021年度を起点とした物価指標の変動率を反映することとした。例えば2026年度分については、図5のように2021年度を起点とし、2025年度までの4年分の物価指標の変動率を反映する。
電気事業において「事業報酬」とは、事業遂行に伴い必要となる借入金の支払利息や株主に対する配当金等の、いわゆる資金調達コストを指している。
レベニューキャップの事業報酬算定に用いる公社債利回り(他人資本報酬率)は、第1規制期間の参照期間において0.098%であったのに対して、足元の国債(10年)の平均利回りは2025年10月時点で1.635%と大きな乖離が生じている。このような状況が続くと、一般送配電事業者の資金調達に支障が生じ得ることが懸念される。
第1規制期間における事業報酬は図7のように算定されており、このうち「公社債利回り実績率」は市場による客観的な指標であることを踏まえ、対象年度の直近5年間の実績の平均に置き換えて、事業報酬率の算定を見直すこととした。
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