e-ガソリン(合成燃料)は、ガソリンの規格にあわせて利用可能という利点があるため、燃料の性質、制度面共に、ガソリンと同じ取扱いが可能と考えられる。また、揮発油税法の揮発油に該当すると想定され、化石燃料と合成燃料での課税の違いは生じないと考えられる。
e-ガソリンのサプライチェーンは構築の途上であるが、合成原油またはe-ガソリンの形で輸入または国内製造され、主に国内の製油所等にて混合・成分調整されるケースが想定されている。
また事業者へのヒアリングでは、実物燃料の輸送コストを下げる観点や供給可能な地域を広げる観点から、証書化のニーズがあることも確認された。
クリーン燃料証書は、化石燃料から次世代燃料に原料転換したことを属性(MJ・kL単位)として燃料から切り離し、その属性を移転先の燃料に貼り付けることで環境価値を主張する属性取引の形の証書である。よって、証書の「発行ポイント」の検討にあたっては、証書化される次世代燃料の量と日本国内で実際に使用される次世代燃料の量を整合させる必要がある。
このため、証書化した後に、環境価値を剥がした燃料(いわゆる「抜け殻燃料」)が輸出されたり廃棄されたりする可能性が低いポイントを、環境価値認証・証書発行ポイントとして設定する必要がある。
e-ガソリンの環境価値認証・証書発行ポイントとしては、「製油所等からの出荷時点」(図3の赤枠部分)が現時点では最適と考えられ、これは揮発油税の課税ポイントとも一致している。
SAF(持続可能な航空燃料)はASTM(国際規格標準化団体)規格への適合が必要であり、現時点、ニートSAF(混合前の純粋なSAF)と化石由来ジェット燃料との混合比率は最大50%とされている。
SAFのサプライチェーンとしては、国内でニートSAFを製造し、国内製油所等で混合するケースと、海外で混合された製品(混合SAF)を輸入し、空港に直接搬入するケースがある。航空機燃料税は、化石燃料/SAFの違いに関わらず課税される。
なお、国際民間航空機関(ICAO)のCORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation:国際航空のためのカーボン・オフセットおよび削減制度)の枠組において、化石ジェット燃料との混合以降はブックアンドクレーム方式による環境価値の移転が認められている。
環境価値認証・証書発行ポイントは、SAFは日本国内の製油所等を通過しないケースもあるため、CORSIAや国土交通省の「SAF利用可視化ガイドライン」を踏まえ、燃料の燃焼が確定する「空港貯蔵設備への投入時点」(図4の赤枠部分)が現時点では最適と考えられる。
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