「クリーン燃料証書」の創設 e-ガソリン/SAF/HVO/合成メタン・バイオガスを優先検討へ第21回「脱炭素燃料政策小委員会」(3/4 ページ)

» 2026年04月24日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

「水素化処理植物油(HVO)」の証書化に向けた検討

 水素化処理植物油(HVO)は、植物油等を原料とするという点ではFAME(脂肪酸メチルエステル)と共通のバイオディーゼルであるが、水素化処理し酸素を除去することにより、ほぼ軽油と同等の性状である点はFAMEとは大きく異なる燃料である。

 HVOはリニューアブルディーゼルとも呼ばれ、現在、HVO100%品はオフロードの建設機械・空港車両向けに、軽油との混合品はオンロードのバス・トラック向けに販売されている。混合品は国内の製油所等にて混合され、利用者への直接販売、または特約事業者を介して利用者に販売される。

 HVOは自動車の内燃機関の燃料として使用される場合は、混合濃度によらず、軽油引取税が課税される。ただし、自動車の内燃機関の燃料以外の用途に使用される場合、その濃度等の違いにより、課税の有無や製造・譲渡等の承認の要否が異なるなど、複雑な制度となっている。このため、取扱いの異なる燃料間で環境価値(証書)の移転を行う場合は、対応を検討する必要がある。

図5.HVOのサプライチェーン 出典:脱炭素燃料政策小委員会

 HVOの環境価値認証・証書発行ポイントとしては、「製油所等からの出荷時点」(図5の赤枠部分)が現時点では最適と考えられる。

「FAME」の証書化に向けた検討

 FAME(脂肪酸メチルエステル)は、廃食油を原料としてメチルエステル化処理によって製造する相対的に安価なバイオディーゼルである。ただし、FAMEは、軽油と比較して酸化しやすく長期保管不可、低温流動性が低く、熱量が軽油と比べて10%程度低いなど、性状は軽油と異なる。

 B5(FAMEを5%以下で混合した軽油)の混合軽油は、品確法上で軽油として販売可能であり、公道を走行可能であるが、B5を超える混合率の軽油では公道を走行することができないといった違いがある。

 また、FAMEの用途・濃度により、軽油引取税の有無や製造・譲渡等の承認の要否が異なるなど、複雑な制度となっている。このため、取扱いの異なる燃料間で環境価値(証書)の移転を行う場合は、対応を検討する必要がある。

図6.FAMEのサプライチェーン 出典:脱炭素燃料政策小委員会

「合成メタン・バイオガス」の証書化に向けた検討

 合成メタン・バイオガスは、主成分がメタンであるLNG・天然ガスと物性がほぼ同じである。合成メタン・バイオガスは、国内で製造するケースと、海外で製造されLNGと混ぜて輸入するケースが想定されており、現時点で計画されているものの多くは、都市ガス13Aの原料となり都市ガス導管に注入され、需要家に供給される予定である。

 都市ガス及び未熱調ガスの需要家が主な証書購入者と想定されており、SHK制度(温対法の算定報告公表制度)や排出量取引制度でクリーン燃料証書が利用可能となるかどうかが重要な論点とされている。

図7.合成メタン・バイオガスのサプライチェーン 出典:脱炭素燃料政策小委員会

 合成メタン・バイオガスの環境価値認証・証書発行ポイントとしては、「ガス導管注入地点」「ローリー・トレーラーへの出荷地点」「自家消費地点」(図7の赤枠部分)が現時点では最適と考えられる。

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