以上のヒアリング調査より、2026年度は優先的に、e-ガソリン/SAF/HVO/合成メタン・バイオガスについてクリーン燃料証書制度の整備に向けた検討及び実証を進めることとした。他方、バイオエタノール・ETBE/FAMEについては、証書化ニーズの不足や制度面等での課題があるため、2027年度以降に検討を見送ることとした。
なお、SAFについては「更なるSAF導入促進に向けた基本方針」において、国内版ブックアンドクレームなどの検討を進めるとしており、すでに2025年度に実証も行われている。
e-ガソリン/HVO/合成メタン・バイオガスでは、2026年度に協力事業者を募り、少量のサンプルを用いた証書制度の実証を、まずはHVOから行う予定としている。
クリーン燃料証書には、製造された次世代燃料に係る基本的情報については記載を必須として、国際イニシアティブへの対応やScope 3排出算定、カーボンフットプリント算定需要を見据え、製造原料に係る情報も任意で記載可能とする。
また、次世代燃料が有するGHG排出削減の効果を評価するには、炭素集約度(ライフサイクルCI値)の算定・記載が望ましいが、全ての需要家がCI値の情報を必要としている訳ではない。特にサプライチェーンが海外にもまたがる場合、CI値の算定・検証は手続きコストが大きくなるため、実証段階ではCI値の算定は任意とすることとした。
クリーン燃料証書の認証については、他の認証スキームを参考として、燃料・設備・サプライチェーン等について証憑を基に確認の実証を行う。既存の認証制度の認証を取得している場合、当該認証で原則として代替可能とする方向である。
クリーン燃料証書制度の実証における具体的なフローは、図9のように想定されている。証書の発行申請を行う者は、環境価値の認証を行うために必要な情報を、証書発行ポイントよりも上流のサプライチェーンから入手し、証書発行申請を行うこととなる。
環境価値認証・証書発行ポイントまでは、マスバランス方式での管理を求め、発行ポイント後はブックアンドクレームの方式が認められる。これは、SAFにおけるCORSIAの考え方と整合的であるが、現時点の他の国際イニシアティブとは異なることに留意が必要である。
クリーン燃料証書はその環境価値の担保や二重計上の防止に向けて、制度面で必要な措置を検討するとともに、システム面での措置として、既存・民間のレジストリ(登録簿)の活用も含めた検討を行う予定としている。
また、エネルギー供給構造高度化法や排出量取引制度等の規制的措置との連携や、SHK制度への反映についても検討を行う。先進的なグローバル企業が安心してクリーン燃料証書を率先活用するためには、ブックアンドクレーム方式への理解醸成に向けた、GHGプロトコルを始めとする国際イニシアティブ等への働きかけも必要となる。
また、クリーン燃料証書が有する環境価値の適切な活用や優良誤認対策として、「クリーン燃料証書ガイドライン」等を策定する予定としている。
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