電気事業法改正で新融資制度 大規模電源や送電線の整備を政府が支援へ第2回「電力事業環境整備ワーキンググループ」(4/4 ページ)

» 2026年08月05日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]
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融資の総額や融資期間等の考え方

 財務省の財政制度等審議会・財政投融資分科会では、新たな融資制度について、融資総額の3割程度など、一定の上限を設定することを求めている。この上限は、単年度ベースでは事業の実態と整合しないおそれがあるため、プロジェクト全体の融資総額を基準とする。

 融資期間については、系統や電源にかかる設備投資の回収期間は長期に及ぶことや、民間金融ではリファイナンスを前提とした資金供給が行われる事例も多いことを考慮して、民間金融の一般的な融資期間を超えた長期の融資も認められる。

 また、財政投融資を活用した融資スキームは、あくまで民間融資を補完するものであるため、金利水準については民間水準並みの金利水準として、社債市場で形成される利回りや実際の銀行融資における資金調達実態を参考として、合理的な水準を設定することとする。

融資主体である広域機関の財務基盤とガバナンス

 広域機関は、財政融資を活用した新たな融資制度において、令和8年度には540億円の貸付を予定している。新たな融資制度では財政融資資金を活用するため、償還確実性の観点から、融資実行主体である広域機関の財務健全性の確保は重要である。

表5.広域機関 財政融資令和8年度要求額 出典:財政投融資分科会

 よって広域機関は、国内金融機関に対する自己資本比率規制の水準を参考に、リスクプレミアムを含めた貸付利率を設定した利息収入等により、令和9年度以降は融資総額の4%以上の純資産またはそれと同視し得るものを融資勘定(仮称)内に維持する。

 その上で、万が一の事態が生じても1年間分を目安に元利償還に必要な資金を確保しておく観点から、融資総額の8%以上の高流動性資産を融資勘定(仮称)内に確保する。

 また財務基盤だけでなく、融資判断の客観性・透明性を確保しつつ、適切な審査・モニタリングおよびリスク管理を実施するためのガバナンス体制の確保が重要となる。このため今後、広域機関では、電源・系統担当ラインから独立した融資管理部門を設置し、融資業務に係る審査・与信管理を適切に実施する体制を整備する予定としている。

2026年度ファイナンス支援スケジュール

 2026年度のファイナンス支援に係るスケジュールとしては、計画認定後、融資審査、契約手続きや、経済産業大臣への意見照会等の手続きに最低でも4カ月程度を要するため、年度内の予算執行を目指す上では、年内を目途に計画認定が必要と考えられる。

 よって、2026年度分(2027年3月頃融資実行を想定)および2027年度分(2027年4月以降融資実行を想定)については、8月末頃を目途に資源エネルギー庁への事前相談の受け付けを開始する予定としている。

図4.2026年度ファイナンス支援スケジュール 出典:電力事業環境整備WG
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