1970年にデビューして以来、世界の空で活躍を続けてきたボーイング747。何かと話題の多かった機種だけに、ジャンボ機ならではの裏話やこぼれ話も少なくない。退役が進むジャンボ機特集の第2弾として、今回はそんなエピソードを集めてみた。
ジャンボ機の2階部分のコクピットに座ることは多くのパイロットたちの憧れだった
ボーイング747は世界中で「ジャンボ機」の愛称で親しまれてきた。なかには大きな飛行機はすべてジャンボ機だと思っている人もいるが、そうではない。この愛称、実は英国ロンドンの動物園にいたアフリカ象のニックネーム「ジャンボ」に由来している。747が登場した当初、あまりに巨大なのでジャンボジェットと呼ばれるようになった。
ただしアフリカ像には、どうしても「大きくて動作がゆっくり」というイメージがつきまとう。それでボーイング社は当初、「ゾウみたいな鈍重な印象はわれわれの最新鋭機にふさわしくない」と大反対。「スーパージェット」という呼び名を浸透させようと仕向けてきた。結果は、スタッフたちのそんな画策もむなしく、ジャンボ機の愛称は世界中の利用者の間に定着して誰もが知るロングセラー機に。
ちなみにエアライン1社のジャンボ機の発注数としては、JALの113機が世界最多で、日本にはとりわけ熱狂的なジャンボファンが少なくない。
ブリティッシュ・エアウェイズが運航する747-400。「ジャンボ」は英国ロンドンの動物園にいたゾウの愛称だった
- ジャンボ機ボーイング747は、いかにして誕生したか?
2014年3月31の那覇から羽田へのラストフライトで、ついに日本の空から姿を消すジャンボ機──ボーイング747-400。日本人に最も愛されたこの名機は、いかにして誕生したのか? その歴史を、改めて振り返ってみよう。
- ジャンボよ、永遠に! シンガポール航空747-400ラストフライト搭乗記
約40年にわたって世界の空を飛び続けてきたシンガポール航空のボーイング747の歴史に、ついにピリオドが打たれた。「SQ747/748」という便名を冠したこの特別便で、世界中から集まった多くのファンとともにシンガポール/香港を往復した。
- 新しいジャンボ機、747-8Iのデビューフライトに密着
次世代ジャンボがデビューした。747-8インターコンチネンタル(747-8I)である。この最新鋭機をどこよりも早く導入したのが、ドイツのルフトハンザだ。2012年6月1日、フランクフルトから米国ワシントンD.C.への初就航フライトを密着取材した。
- 旅客機の近代史──大量輸送時代の幕開けからハイテク機登場まで
大型機の登場で空の長距離移動が一般化してから半世紀以上が経過した。ジェット化で大量輸送時代の幕を開けた1950年代以降と、ハイテク機が登場する1990年代から現在までの2つの時期に分けて、駆け足で歴史を振り返る。
- ボーイング787“ドリームライナー”は空の旅をどう変える?
開発の遅れが懸念されていた次世代機787について、ボーイングは今年1月に「初号機納入は2011年第3四半期(7〜9月)」と発表した。1号機を受領するのはANAだ。スケジュール通りに進行すれば、いよいよ年内にも日本の空でデビューすることになる。787は、これからの空の旅をどう変えるのか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.