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» 2014年07月25日 19時45分 公開

頼れる“航海機器”か? 船乗りのためのG-SHOCK「GULFMASTER」を船乗りが着けてみた海の男がマジで使う(4/4 ページ)

[長浜和也,Business Media 誠]
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GULFMASTERで正しく方位を測定するTips

 マリンウォッチでは、多くのモデルでタイドグラフとコンパスを内蔵する。GULFMASTERも備えていて、タイドグラフは、カレンダーから算出した概算をもとに干潮→上げ潮→満潮→下げ潮→干潮のサイクルを小針で示す。速度が遅いヨットでは上げ潮下げ潮によって場所によっては1〜3ノットほどの海流が発生して航海に影響することもあるので、その指標となるが、多くの場合、場所によって潮汐の時間が異なるので、海上保安庁が出す公のデータを調べて使うことになる。係留中に影響する水深の変化もGULFMASTERでは知ることができないので、こちらも、公式のデータを参照することになる。

コンパスモードに移行すると、秒針が磁北を指して、12時の方位を液晶に表示する(写真=左)。船舶でコンパスを使う場合、目標の方位変化を把握するために使うが、そのためには、目標を正しく狙う必要がある。GULFMASTERには照準がないが、12時インデックスとベゼルの「8 7」を組み合わせて照準の代わりにできる(写真=右)

 コンパスは、秒針が磁北を示して、液晶に羅針方位と磁方位を表示する。りゅうずの操作で磁気偏角を修正して真方位の表示もできる。方位を知りたい目標に12時メモリを向けて本体を水平にして測定するが、ハンドコンパスのように目標に照準をつける見通し線はない。航海でコンパスを使う目的は、船を向ける針路を知ることではなく、船に向かってくるほかの船の方位変化(向かってくる船と衝突する可能性があるか確認する)や、陸上の対象物の方位(複数の目標で方位を確認して海図上で自分の位置をプロットする)の把握だ。そのため、正確な方位を知る必要があり、そのためにハンドコンパスには見通線をとれる照準を用意している。

 ただ、GULFMASTERでも、時計を目の高さに持っていき、12時インデックスとベゼルにある気圧差インジケータの「8 7」の中間を合わせるように方位を測定指定目標に向けると照準が取れる。この状態では時計版を見ることができないが、照明ボタン(りゅうずの上にある)を押すと、電子コンパスの測定が停止するので、それを「HOLD」代わりに利用して押したまま時計版の表示を確認すれば、測定した方位を把握できる。



 “気圧”の表示機能を重視したGULFMATERは、まさに船乗りを意識したG-SHOCKといっていい。コンパスも、(たぶん開発者の想定にない使い方だと思うが)少しだけ工夫すれば、それなりの精度で方位測定が行える。タイドグラフは、航海で知りたい上げ潮と下げ潮のおおよそのタイミングは把握できるが、船舶業務に特化するなら、主要港の潮汐データをダウンロードしてそれに合わせたタイドグラフと水深の変化を表示できると船乗りにとって意味のある機能になる。針の視認性も揺れる甲板でも短時間で白くて太い短針と長針を把握できる。それだけに、液晶とタイドグラフ/気圧傾向インフォメーションで小さくなったインデックスが惜しい。

 「アウトドアで気圧?」「船と海でなぜ気圧?」と、普通の人はイメージがしにくいつながりかもしれない。それだけに、海と船で本当に必要な機能を知る船乗りなら、気圧を最優先にしたGULFMASTERを“頼れる航海計器”と認識してくれるに違いない。

photo GULFMASTERを着けて夏の海を航海する。青い空に青い海。あれに見えるは伊豆大島。波浮港はもうすぐだ

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