“WIN”な「G'zOne W42CA」も優れた「航海機器」なのか勝手に連載!「海で使うIT」(1/4 ページ)

» 2006年07月28日 22時07分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 昨年登場したタフネスケータイ「G'zOne TYPE-R」は、そのごつくて頼れそうなデザインと外見に負けない「耐衝撃」「防水」性能、そして電子コンパスやGPSと連動したナビゲーション機能など、アウトドアでしっかりと役に立つ「ギア」として、多くの熱烈なる「野外活動フリーク」たちの支持を集めた。

 「ふーん、見かけ倒しじゃなかろうね」と失礼にも疑ってかかっていた私も「恐怖の北部伊豆諸島ノンストップぐるり一周航海」でG'zOne TYPE-Rをギチギチと使ってみたが、「ハンドコンパス」としても「GPSプロッタ」としても、そしてもちろん、通信手段として肝心な通話エリア面でも(“航海に関する情報は表示されない”“海上ではつながるが港で使えるかは未知数”などそれぞれ条件付きだが)「使える」航海機器であると認識したのであった。

 思考が単純な野外活動フリーク(え、私だけですかっ)としては、「ただの通信手段だけじゃなくて、コンパスやGPSプロッタも荒れた海で使えるんだから、それでいいんじゃないの」と考えてしまうのだが、携帯電話ユーザーの「どうして“WIN”端末じゃないのよっ」という声が大きかったことも事実である。GPSプロッタ代わりに使った「EZナビウォーク」などの画像を使うサービスはパケット通信の定額プランがある“WIN”のほうがありがたいよね、という理屈は携帯電話に疎い私でも分かる。ほかにも「外部メモリが使えないから撮影した画像が取り出せない」など、携帯電話ユーザーとしてはG'zOne TYPE-Rの仕様にいろいろと注文があったようだ。

 そして、今年の夏である。待望のWIN対応を果たしたG'zOneが登場した。「TYPEなんたら」というメカ好き(それもミリタリー系)の心をくすぐるネーミングではなく、「G'zOne W42CA」というまっとうな街使い携帯電話のような型番になっているが、電子コンパスもGPS機能も、そして当然ながらG'zOneの存在意義である耐衝撃性も防水性能も“TYPE-R”相当の機能が実装されている。

 丸いマルチサークルディスプレイが残っているものの、TYPE-Rのごつさを演出していた「アクティブプロテクター」がなくなったおかげで、G'zOne W42CAはなんとなくスマートに見える。その印象はまるで「学生のころはなりふりかまわぬ“山男”(いや、“海男”でもいいんですが)だったのに、就職したらスーツが似合うビジネスマンになっちゃった」といったような変わりようだが、肝心のアウトドア的な性格はしっかりと残っているようだ。

Photo またまた、私の勝手な思惑に翻弄され海でテストされることになったG'zOne W42CA。今度は連続24時間の航海を2セットも行うとあって、TYPE-Rよりも過酷なテストになりそうだ(G'zOne W42CAだけでなくテストする私にとっても)

 となると、この「勝手に連載!」としては、生まれ変わったG'zOneが私のメインフィールドである「船!」(ああ、やっぱりPCじゃないのね)でどれだけ使い物になるのか試してみたくなるのは必定。都合のいいことに、瀬戸内海から鳴門の渦潮をぬけて紀伊半島をぐるりと回り、遠州灘をひた走って西伊豆まで航海する機会に恵まれた。ならば、この“WIN”タフネスケータイをギチギチと船で使い倒してやるまでっ。「ボク、昔の野蛮なTYPE-Rとは違うんです。“都会的、未来的”なG'zOneなんです」とふぬけたことをいうようなら、即刻、鳴門の渦に叩き込んでやるぜ。

 そうそう、昨年掲載したTYPE-Rのリポートでもそうだったが、この連載は「ITmediaの読者に役に立つ情報を提供する」という崇高な使命感ではなく、「海でどれだけ使えるようになったんかい、オラ」という超私的な動機によって、通常の携帯電話レビューとはまったく異なる「船乗り」(“釣り人”ではないことに注意)の視点だけで評価する。それゆえ、携帯電話レビューで定番の「文字入力に内蔵アプリの使い勝手、カメラの画質にテレビの画質、付随サービスの対応状況」については“やっぱり”触れていないのでご勘弁のほどを。

 まっとうなレビュー記事を期待して、この記事をクリックしてくれた皆さんには「またまた」申し訳ないが、そういう「実のある」話はここにあるの正統派携帯電話レビューを参考にしていただきたい。

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