新装オープン!「デルタ航空博物館」に行ってみた秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/4 ページ)

» 2014年10月31日 08時00分 公開
[秋本俊二Business Media 誠]

デルタ航空8万人の社員たちの“魂”に触れる

 館内には、レトロな塗装で趣のあるボーイング767が展示されている。ボディに描かれているのは「スピリット・オブ・デルタ」の文字だ。

 米国の航空業界は1982年、景気の悪化や高止まりする燃油料金などの影響で厳しい時代を迎えていた。35年連続で黒字経営を続けていたデルタ航空も、ついに赤字転落。そんな会社の苦境を救おうと声を上げたのが、3名の社員だった。当時導入しようとしていた航空機(767-200)の購入資金を、自分たちの減給でまかなって会社に寄贈しようではないか──と。従業員のほか退職者、賛同者により計3000万ドルが集まり、1982年12月15日に767-200が会社に贈られた。これがスピリット・オブ・デルタの由来である。

 同機は2006年初めに12空港を巡る引退フライトツアーを実施後、同年5月にデルタ航空博物館に展示された。現在は機内を改造し、歴代のユニフォームやゆかりの品の展示スペースになっている。

社員たちの「結束」を象徴する存在として語り継がれる“スピリット・オブ・デルタ”。現在デルタ航空の社員数は約8万人
767のキャビンでは当時のゆったりしたシートを再現
コクピットも当時のまま保存されている
機内は改造されて歴代ユニフォームなどの展示スペースに
初期の747の機内も“シースルー・モデル”を使って説明
L-1011で成田に就航していた当時に作られた“はっぴ”
カラフルなユニフォームに、時代の変遷や流行の変化を感じる
ボーイングが構想していた超音速旅客機SSTのデルタ航空仕様のモデルプレーンも
キャビン後方では当時のギャレーが再現されていた
航空機の部品の移り変わりを体験できるコーナー

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.