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コスト削減から成長へ、CIOがギアチェンジ

» 2006年04月13日 17時54分 公開
[ITmedia]

 コスト削減から企業成長への貢献にギアチェンジ――4月13日にガートナーの事業部門であるガートナー・エグゼクティブ・プログラム(EXP)のCIOサーベイの調査結果によると、2006年の優先課題としてCIOは企業成長への貢献に目を向けていることが分かった。

 この調査は世界のCIOを対象に2005年10〜11月に行い、全世界で約1400人から回答を得たもの。日本では29社のCIOから回答を得た。

 それによると、今回調査ではグローバルと日本ともにITコスト削減に関する優先順位が下がる傾向が見られた。グローバルでは2005年に続き「ビジネス・プロセスの改善」が1位となり、日本でも昨年の13位から7位へと大きく向上。日本のCIOの優先度1位となったのは「顧客の獲得、維持および顧客との関係強化」で、グローバルでも3位という結果だった。

2006年におけるビジネス面の優先度 2006年におけるビジネス面の優先度(出典:ガートナー)

 一方で、グローバルと日本で違いが見られたのは、内部統制やセキュリティといった項目。「セキュリティ侵害および業務の中断」といった項目は日本で2位だったが、グローバルでは2005年をピークに大きく順位を下げ7位。特に「内部統制の確率と強化」は日本では日本版SOX法への対応がこれからとなるため3位となる一方で、グローバルでは13位と重要度が低くなっていた。セキュリティ関連の「データ保護とプライバシー」の項目はグローバルと日本ともに順位も下げた。

 ガートナーは「日本では内部統制やセキュリティの重要度がグローバルに比べて高いことが特徴だが、全体としてグローバルのCIOと同様にコスト削減から企業成長にかじを切っていると見られる」とコメントしている。

 2006年の技術面の優先度としては「ビジネスインテリジェンス」がグローバルで1位、日本で3位となり、企業の成長を支援するという目標の柱になる技術として注目を集めている。また「セキュリティ強化ツール」はグローバルで2位、日本でも1位となっており、情報システム部門が新しい脅威に対し待ったなしの対応を迫られていることを示した。

2006年における技術面の優先度 2006年における技術面の優先度(出典:ガートナー)

 ちなみに、日本での2位は「ネットワーク、音声およびデータ通信」。グローバルでは8位と優先度はあまり高くない。これは、日本企業がコストの高い社内電話網を自社で保有しているためと見られる。

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