コラム
» 2008年10月27日 09時27分 UPDATE

Googleがロングテールから吸い取ったもの

WebユーザーがGoogleのような大手に一極集中する傾向が強まっている。これはロングテールの終息を意味するのだろうか。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 わたしはこれまで4年間、2005年からAsk.comの傘下にあるRSSフィードサービスBloglinesを使って満足していた。ところが1カ月ほど前におかしなことが起こった。

 わたしが日々の情報集めのため購読しているWall Street Journal、New York Times、Reutersなど幾つかのサイトにアクセスできなくなったのだ。

 Bloglinesのサポートチームに苦情メールを送ったが返事はなかった。Ask.comの誰かがBloglinesチームをレイオフして、ユーザーに告げるのを忘れたのか。わたしは数日の間、空っぽのサイトに手動でアクセスして失われたフィードが復旧することを願ったが、かなわなかった。

 そこで9月から10月になるころ、わたしはGoogle Readerに切り替え、Bloglinesが問題を修復したと伝えられた後も、戻ることはなかった。

 実際、なぜもっと早くGoogle Readerに乗り換えなかったのかと思っている自分がいた。わたしは一般的な検索とブログ検索にGoogleを使っていて、GoogleのGmailも使っている。ニュースのネタを探して仕事の一部はGoogleのブログを読む時間に充てている。自分が必要なWebサービスはすべてGoogleを使うのが合理的ではないのか。この考えについては後述する。

 今週わたしはニコラス・カー氏のブログRough Typeで、わたしの意見をそのまま代弁したような記事を読んだ。この「Centripetal Web」という記事は必読だ。

 カー氏によると、わたしたちの大部分は数年前までYahoo!かAltaVistaで新しいサイトを見つけていたが、だんだんものぐさになった。わたしたちはWebを自由にサーフィンするのではなく、特定のWebサイトに集まるようになり、検索アルゴリズムによって人気が増大した少数のサイトばかり使うようになった。

 WikipediaやGoogleといったサイトは情報収集のためのデファクトスタンダード性を一層強め、わたしたちは一極集中型Webの犠牲者になった。カー氏は次のように書いている。

 確かに、われわれは今でも拡大し続ける情報世界の果てへと探究を続けている。しかしわれわれの大部分にとって、大部分の時間、World Wide Webは小さく快適な場所になった。実際、サイトの全体数は増え続けているにもかかわらず、Webトラフィックが大規模サイトに集中する傾向が強まっていることは統計に示されている。また最近の調査で、ユーザーのWeb利用が増えるほど、「ネット上の行動の大部分が少数の中心的、固定的Webサイトに集中する傾向が強まる」ことが分かった。

 Googleの検索アルゴリズム登場からもう10年になるが、同社は過去5年でWebサービスを通じてインターネットの領域を急拡大してきた。

 テキスト検索だけでは飽き足らず、Googleはブログ、画像、YouTubeビデオといった、わたしたちが普通なら別の所を探すコンテンツの検索も取り込んだ。検索だけでは飽き足らず、Googleはブログ配信サイトを買収し、アプリケーションスイートを作成し、WebメールとWikiも完備した。

 ここでわたしの置かれた状況に戻る。Googleのおかげで必要な情報が見つけやすくなるのなら、あるいは1カ所から作業したりコミュニケーションができるようになるのなら、なぜ新しいサイトに行く必要があるのか。Googleは世界中に何十カ所もデータセンターを持ち、インターネット史上最大の潜在的スケーラビリティをうたっている。

 Googleでも障害は起こる。しかしBloglinesと違って、これまでのところGoogleの障害はわたしには影響が及ばなかった(これからもないことを祈っている)。

 Google Readerが存在するということは、もうBloglinesのようなロングテールサイトの貧弱なサービスの犠牲にならずに済むということだ。わたしにとってBloglinesは死んだに等しい。

 これはロングテールの終息を意味するのか。その可能性は十分ある。ロングテールは依然として「格調高く有益な理論ではあるが、既に時代遅れの感があり、現在のWebよりもむしろ、かつてわれわれが思い描いたWebの姿を言い表した」ものだとカー氏は言う。

 さよなら、ロングテール。君のことはよく知らなかったけれど。

原文へのリンク

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