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コラム
» 2009年04月08日 07時30分 UPDATE

iPhone版Skype? 大騒ぎするものじゃない

みんなiPhone版Skypeに大騒ぎをしているが、無駄なことだ。iPhoneの欠陥のせいで、SkypeはiPhoneでは真のポテンシャルを発揮できない。

[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 iPhone版Skypeに対する騒ぎっぷりは、まるでジーザスか宇宙人(信条に合わせてお好きな方をどうぞ)が雲の上から降り立ったようだ。何と無駄なことを。

 iPhone版SkypeはAppleのApp Storeで3月31日から提供されている。Macファンブログやニュースサイトはその話でもちきりだ。わたしとしては、頭をかいて「なんで?」と言いたい気分だ。騒ぎが収まってからブログに書こうと2日待ったが、ひどくなるばかりだ(訳注:このブログは米国時間4月2日に書かれた)。

 iPhoneで本当に使えるなら、Skypeはもっと面白くなるかもしれない。iPhoneはSkypeには問題のある携帯プラットフォームだ。ただ、iPod touchの方には希望を持っている。

 昨日の午後、友人が突然わたしのBelkin製Skype電話に電話をかけてきた。わたしはこの電話をアパートの正門との連絡用に使っていて、そのために電話番号を取得していた。家に固定電話はなく、家族はみんな携帯電話を使っている。だから、正門からではなく、米国西南部から電話がかかってきて驚いた。いい友だちで、長年のMacファンでもある彼は、iPhone版Skypeにはまっていた。Skype間通話を試さずにいられなかったのだ。

 音質は驚くほど良かった。高音がちょうどよく、生き生きとして聞こえた。実際、これまでAT&Tの3Gネットワークを使ってiPhoneで話したときよりもずっと音が良かった。だが、残念ながらわたしは空気が読めないので、さっさと通話を終わらせてしまった。わたしは友人に執筆中のテーマを話した。Skypeクライアントは、iPhoneを際立たせるものでもなく、iPhoneの機能を拡大するものでもない。iPhone版Skypeは、iPhoneの最悪な機能上の欠点を目立たせてしまう、と。

 以下のように問題はたくさんあるが、iPod touchならまだ希望はある。

  • iPhoneはバックグラウンドアプリケーションをサポートしていないため、Skypeの着信機能が制限される。おそらくiPhone 3.0のプッシュ機能が限定的ながら回避策になるだろう。しかし、Skypeを常駐させて常に着信ができるのと同程度の便利さはない。

  • iPhoneは動画をサポートしていない。テレビ電話ができれば、Skypeは非常に魅力的だろう。でもわたしなら手持ちのNokia携帯でテレビ電話を使いたい。前面にビデオカメラが付いているからだ。

  • iPhone版SkypeはAT&Tの3Gネットワーク経由では電話をかけられない。iPhone 3.0がリリースされればこの状況は解消されるかもしれない。AT&Tにはアドバイスしたいことがある。Wi-Fi経由で電話をする人はAT&Tのネットワークを使わないだろう。AT&Tは加入者にもっと通話料を使ってもらいたいはずだ。なら、3G経由でSkypeを使えるようにしたらいい。

 Android、Symbian、Windows Mobile向けの真のSkypeクライアント――今出回っているライト版よりもずっと機能豊富なバージョン――があれば素晴らしいだろう。これらOSはバックグラウンドアプリケーションの実行をサポートしている。Appleはバッテリー消費を理由にiPhone OSでバックグラウンドアプリケーションをサポートしないことにした。

 わたしはこれをOSとハードの設計上の欠陥と呼んでいる。AppleはiPhoneユーザーが直接交換できない固定バッテリーを選んだ。わたしのNokia携帯はバッテリーを交換できる。だから、バックグラウンドでアプリケーションを動かすための電力は常にある。それにバッテリーの消費は、Appleが公称している「iPhoneでバックグラウンド実行をしたときの消費ペース」ほど速くはない。ハードだろうとソフトだろうと、設計が不適当だ――欠陥があるということだ。

 iPhone版Skypeは、iPhoneのキラーアプリになり得るし、なるはずだ。このソフトは、iPhoneの主な機能である電話機能を強化する。ご存じの通り、iPhoneという名前には「Phone(電話)」が入っている。なのにiPhoneの欠点のせいで、優れた設計のiPhone版Skypeも真のポテンシャルを発揮できないのだ。ユーザーインタフェースは機能的なだけでなく、美しいのに。

 iPhone版Skypeは、iPhoneに対するわたしの最大の不満を浮き彫りにしている。快適なユーザーインタフェース、データ容量、App Storeのおかげで、iPhoneは驚くほど素晴らしいポケットコンピュータになっている。だがバックグラウンド実行の制限や固定バッテリー(GPSなどの機能を使うとすぐに消耗してしまう)はiPhoneが本来発揮できるはずの可能性を大きく損なっている。どうだろう、読者の皆さん。正直に答えてほしい。皆さんは1日に何回iPhoneを充電しているだろうか?――あるいは、電源に差しっぱなしだろうか? 1回の充電で、通話は言うまでもなく、モバイルコンピューティングが丸1日できるだろうか? Appleがバックグラウンドで自由にアプリケーションを実行できるようにしたら、事態はさらに悪化するだろう。

 確かにわたしはiPhone版Skypeに対しては偏屈だが、iPod touchならうまくいくだろう。Skypeはtouchを電話に変える――Wi-Fiが使えるときなら、だが。それについては、また後日書くかもしれない。

 iPhoneを「ジーザスフォン」と呼んだ人もいた。iPhone版Skypeを使うためにジーザスが復活したと思っているのなら、残念ながら彼はコール(電話/天の声)を聞き逃したようだ。宇宙人の場合なら、「E.T. オウチ デンワ」のはずがよそにかけてしまった、といったところか。

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