最新のエアコン(他の家電品も)は省エネといわれる。最新機種に買い替えるとどれくらい省エネなのか気になるところだ。過去製品も含めスペックを調べてみると、以下のようになっていた。
製造年 | 型番 | 暖房能力 | 暖房消費電力 | エネルギー効率 | APF |
---|---|---|---|---|---|
1996年 | MSZ-GX256 | 3.6キロワット | 990ワット | 3.64 | − |
2001年 | MSZ-G25H | 3.0キロワット | 865ワット | 3.46 | − |
2001年 | MSZ-WX25J | 3.0キロワット | 585ワット | 5.13 | − |
2006年 | MSZ-CS25T | 3.0キロワット | 515ワット | 5.83 | 5 |
2006年 | MSZ-ZW25T | 3.0キロワット | 435ワット | 6.90 | 6.4 |
2011年 | MSZ-GM281 | 3.6キロワット | 810ワット | 4.44 | 5.8 |
2011年 | MSZ-ZW281 | 3.6キロワット | 650ワット | 5.54 | 6.9 |
(※)現在使用中のエアコンが三菱電機製なので2001年以降も三菱電機製で比較した
1996年製は今回実験に使用した機種。同じ年に発売されたモデルでも高級機と普及機では効率が違ったりするので、2001以降は2機種掲載した。2006年モデルと2011年モデルはエネルギー効率の計算では2006年モデルの方が優れているが、APFは2011年モデルの方が優れている。機種によるが5年前の機種であれば現行品と大きな差はなさそうだ。
もし筆者宅のエアコンを新しい機種に買い替えると、推測では設定温度19度の実験値は0.17キロワットアワーから0.12キロワットアワーくらいだろう。新しいエアコンを購入したら省エネ=節電になるが、経済的な分岐点を見つけるのは難しい。多くの人が実際にエアコンが消費した電力を把握していないはず。年間でエアコンの実消費電力を測定し、現在使用中のエアコンと新しいエアコンの性能差を計算すれば、ある程度は何年後に分岐点が訪れるか推定できるだろう。
もう少し分かりやすい例を挙げると、白熱電球とLED電球だ。計算を簡単にするため寿命は無視して計算してみよう。60ワットと10ワットなら消費電力が6分の1であることは簡単に理解できる。白熱電球の単価を50円、年々安くなっているLED電球を1000円とし、電気料金は一般的な22円=1キロワットアワー(数年先はもっと高くなる可能性もある)の単価で計算すると、
1日8時間使えば108日(3カ月半)、1日1時間使えば864日(2年半)、1日10分使えば5184日(14年以上)となる。イメージとしては長時間使用する店舗ならすぐに元が取れるが、独身で1日10分しか使わないトイレは、そのアパートに住んでいる間に元が取れる可能性は低い。家族4人で入浴時間が15分の父、40分の娘……というように4人の合計が1時間半なら1年半で元が取れる。
なお、この計算は節約のための計算だ。エコやCO2削減を主に考えれば、1日も早く省エネな製品に買い替えた方がいい。とはいえまだ使える家電品を数年で廃棄、買い替えするのはやはり「もったいない」。工業製品は製造段階でもエネルギーが使われているので、長く使うことがエコという側面もある。やはりバランスを考えながら買い替えるのがベストだろう。
次回は部屋の放熱について検証したい。
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