「健さんのように本を書くにはどうすればいいですか」と、若い人から質問されることがあります。
私は、作家になりたいという人には、原稿を書くことよりも自分がワクワクして面白い人生を生きるほうが、近道になるとアドバイスしています。というのも、作家になるには文章の上手下手よりも大切なことがあるからです。
学生の頃、英語の通訳をしていたとき、英語がうまいだけの人よりも人生の幅が広い人、いろいろなことを体験した人のほうが最終的には重用されました。作家も同じです。作家になるには、うまい文章を書けるかどうかより、自分に主張したいことがあるかどうか、自分に語るべきものがあるかどうかだと思うのです。私は、自分がワクワクして面白いと思うことにはいつも飛び込んでいきました。そういう生き方をしていると、書くネタが尽きません。
これは、作家になるだけでなく、人生全般にいえることです。面白い体験をしている人は、魅力的です。営業をやっていても、変わった体験をしている人は、それをきっかけにお客さんと仲よくなったりして成績がいいのです。
夢を持っている人も同じように魅力があります。
あなたは、どんな夢を持っているでしょうか?
まだ「これだ!」というものがなくても、焦る必要はありません。なぜなら、あなたはもう夢を実現する物語の主人公になっているからです。ただ、本人が「自分が主人公なのだ」と気づいていないだけです。
目の前のワクワクすることをやってみること。それが夢を生きられるかどうかの最初の一歩なのです。
(次回は「死ぬほどの恋をする」について)
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