では、新入社員に「確認する」コミュニケーション力を身に付けてもらうための例を紹介します。
本当の意味での「確認」は思考力を要するので、難易度が高いコミュニケーションスキルです。そのため、知識や経験なども必要です。
そこでここでは「確認する習慣を身に付けるためのトレーニング」として、上司や先輩側が簡単にアプローチできるコミュニケーション上のポイントを3つ紹介します。
と、コミュニケーションを取るタイミングを決めます。ポイントは、確認に「顔色をうかがう必要性はない」ことを理解してもらうことと、お互いにコミュニケーションを取りやすいようにしておくことです。
入社直後でない限りは、必要事項の1〜10まで確認する必要はありません。しかし、新入社員や若手社員の多くは「ポイントを絞って確認する」方法を知らないようです。そのため、「これってどうすればいいですか?」というように、丸投げで確認してくることも多々あります。そんな場合には、次のような言い回しも合わせて伝えてくと効果的です。
研修では、上記のような言い回しを伝えると確認そのものも的が絞れたものになります。メンバーも自分達の考えを表現しやすくなるので、取り組みやすいようです。
確認できずに手が止まっている場合、その原因の多くは伝える側の説明不足に起因しています。
例えば、メンバーに「議事録作っておいて」と頼んだとします。実はメンバーは「議事録」を見たことはあっても、作成するのは初めて。そんなケースでは、本来は議事録の作成→保存までの流れを一通り説明し、誰がどのような目的で見るのか、必要な要素は何か、書き方の形態はどうなっているか、保存方法などを「なぜそうなのか」を含め伝えておくことが大事です。
しかし実際には「これを見本に作っておいて」となっていることが多いのです。そのため、どうしてよいのか分からずに手が止まりやすくなります。また、何とか頑張ってやりきったとしても、ポイントが大きくズレていることが多いものです。
結果、努力が実らないためメンバーはがっかりし、より具体的な指示を求めるようになります。さらに上司や先輩は大幅に修正を加える必要が出てくるため、二度手間になります。
これは仕事の前後の流れや目的(や背景)をふまえて理解していれば、多少ポイントがずれることになっても、軌道修正がしやすくなるため、もう一度自分で修正させることもできます。仕事を最後まで、自分でやりきらせやすくなります。
新入社員や若手社員が「受け身だな」と感じたら、上記3つのポイントを参考にコミュニケーションに工夫し、取り組ませてみてはいかがでしょうか。私の経験では、最初は確認の「量」が増え、その後「質」が高くなり、仕事が進めやすくなる上に、成果も上がります。よかったら、試してみてください。
※この記事は、誠ブログの「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-:なぜ新入社員は受け身なのか?」より転載、編集しています。
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