「帰りの電車で上司と一緒になったとき」の話し方「で、結局何が言いたいの?」と言われない話し方(2/2 ページ)

» 2014年06月05日 11時00分 公開
[金子敦子,Business Media 誠]
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公共の場にふさわしい話をする

 公共の交通機関での会話は、いつ誰が聞いているか分かりません。話に夢中になるとついまわりが見えなくなってしまうので、くれぐれも「話していいこと」と「そうでないこと」の一線を意識しましょう。

 とくに悪口や不平不満は避けましょう。あとから同じ会社の人が乗って来た、悪口を言っていたその部長が後ろにいた、などというコントのような話も実際に耳にしたことがあります。まさに「壁に耳あり、障子に目あり」です。

 社内の人だけでなく、関係者や競合他社の社員が近くにいる可能性もあります。会社の課題や新商品の話など、なるべく具体的なことは避けて、話題はオープンになっている情報に限定しましょう。もし、込み入った話になりそうな場合は、テレビや雑誌、趣味や休暇の話など、自らあたりさわりのない方向に話題を変えていきます。

「この場だからこそ、聞くことができる話」を聞く

 上司や先輩は、自分よりも長く生きてきている分、優れた知見を持っていることが多いものです。また、いろいろとユニークなエピソードもあるかもしれません。

 そんな上司や先輩は、素直に話を聞こうとする者に対して寛大にいろいろと教えてくれることが多いものです。電車の中はふだんの社内と違って、少なからずフランクな雰囲気になるでしょう。公共の場にふさわしい話題を選ぶ必要はありますが、あなたの聞き方しだいで「この場だからこそ、聞くことができる話」も出てくるかもしれません。

有能な上司は正確な情報が大好き

 部下から見れば上司は1人でも、上司は複数の部下を抱えていることが多く、社内では報告以上の会話をするタイミングがなかなかなかったりするかもしれません。

 だからこそ、電車の中で上司と2人でいる時間は、話題に気を配りながらも、自分をアピールしたり、相談したりするチャンスでもあります。

 自分がどんな気持ちで今の仕事に携わっているか、どんな成果を期待しているのか、といったふだん伝えられない事実以外の意気込みなど、あなたの気持ちを理解してもらえる場になるかもしれません。

 ただし、帰りの電車というオンとオフの境目のような場でも、根拠となる情報は正確で妥当なものであるようにしましょう。

 私の経験上、有能な上司は正確な情報が大好きです。いくら電車の中での会話といえども、いいかげんな話をして、あとから「違っているじゃないか」などと思われることのないように注意しましょう。

今回のポイント

場所をわきまえながらも、オン以上オフ未満で


(終わり)

著者プロフィール:

金子敦子(かねこ・あつこ)

東京大学文学部卒業。英国インペリアル・カレッジ・ビジネススクール(MBA)修了。

アクセンチュア(コンサルタント・マネージャー)勤務、MBA留学を経て、UBS証券株式調査部(アナリスト・ディレクター)として業績予想および投資判断リポートの作成、国内外機関投資家へのプレゼンテーション業務を行う。

その後、武蔵野大学グローバル・コミュニケーション学部(専任講師)においてビジネス・コミュニケーションをはじめ、ビジネス英語、財務諸表分析・企業分析を担当。


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