データ分析と活用のイメージCRMの基本(2/2 ページ)

» 2015年02月26日 05時00分 公開
[坂本雅志,Business Media 誠]
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(2)顧客の維持

 データベース化された顧客のうち、分析によってコストをかけるべき育成対象顧客を見つけ出し、効率、効果的な施策の実行を管理していきます。ここでは、RFM分析(※)などを活用します。

※RFM分析=顧客の購買行動・購買履歴から、優良顧客のセグメンテーションなどを行う顧客分析手法の1つ。データベースマーケティングにおいては、顧客データ分析の最も基本的なものであり、アナリティカルCRMシステムなどに機能として実装されていることも多い。

 あるアパレル企業の場合、全顧客の2年間の購入金額を比較した結果、上位10%の顧客と下位10%の顧客では、実に70倍以上の開きがありました。

 下位10%の顧客10人が離れたとしても、上位10%の顧客(優良顧客)1人を維持したほうが、売上は断然高いという結果になったのです。

(3)顧客の育成と優良顧客の維持

 各種の分析によって購入動機や購買傾向を踏まえ、顧客の識別を実現し、各顧客層に合わせたきめ細かな育成・維持の施策を展開します。

 顧客の購入動機はさまざまです。顧客の属性と購買履歴から購入動機を推定できる顧客層に分類し、顧客層ごとに育成・維持施策を実施することが重要になります。

(4)施策の実行・管理と効果測定

 マスマーケティング戦略の効果測定は、効果の解釈を含め難易度が高いものです。

 しかし、CRM戦略における効果測定は解釈が容易です。それぞれの施策を顧客単位で分析することができるので、きめ細かな管理によりPDCAサイクルがつくりやすいのです。

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