単純化してしまえば、「上司が出世すること」が、自分が出世するための決定要因であるということだ。たとえ下衆(げす)で人望がなく、部下に対してなにもしない上司であっても、彼が出世できなければあなたも出世できない。
サラリーマン金太郎は、会社の創業者である大和守之助が彼を引き上げた。島耕作は、上司である中沢喜一が出世し、社長にまでなったから、自分も社長になれた。マンガはフィクションであるが、世の中の縮図である。
さて、われわれはこの状態で何をすべきだろうか? さきほどのピーター・ドラッカーの引用には、続きがある。
部下は上司を改革したがる。有能な高級官僚は新任の閣僚に対する指南役を自任しがちである。そしてもっぱら限界を克服させようとする。
しかし成果をあげる官僚は「新長官は何ができるか」を考える。そして「議会や大統領や国民との関係づくりがうまい」のであれば、そのような能力を十分に使わせるようにする。
優れた政策や行政も、政治的な手腕をもって議会や大統領に提示しなければ意味がない。
しかも新閣僚は、官僚が彼を助けようとしていることを知るならば、政策や行政についての説明にも耳を傾ける。
(出典 前出書より)
上司を変えるのは簡単なことではない。しかし、上司を助け、成果をあげさせることはできる。
「上司の強みを生かし、成果をあげさせ、出世させよ」
これが、自分が出世するための、ただ1つの方法である。
(つづく)
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