豊臣方に学ぶ、だからダメな組織は滅びる「真田丸」を100倍楽しむ小話(1/2 ページ)

» 2016年11月05日 06時00分 公開
[ITmedia]

「真田丸」を100倍楽しむ小話

この連載では、歴ドル&信州上田観光大使を務める小日向えりさんとともに、NHKの大河ドラマ「真田丸」に登場する人物、あるいは名シーンなどを取り上げて、よりドラマを楽しめるような情報や小ネタをお伝えしていきます。連載バックナンバーはこちら


編集部F: 何だかすっかり秋めいてきましたね。オフィスからここ(サンミュージック)まで約2キロメートルの距離を歩いてきたのですが、日が暮れた時間帯だとずっと寒いままでした(苦笑)。さて、毎週楽しみにしていた今年の大河ドラマ『真田丸』も残すところあと7話となってしまいました。

小日向えりさん 小日向えりさん

小日向: ドラマの撮影もすべて終了したみたいですし、本編もいよいよクライマックスに向けて盛り上がってきましたね。

編集部F: 先週(10月30日放送)は、企業で働くビジネスマン的にもささる内容だったのではと思っています。見終わって思わず「ダメな組織ってこうだよな」とため息をつきました。

小日向: 世のサラリーマンの方々も同じ気持ちでテレビを見ていたかもしれませんね。

編集部F: 現場で決定した方針を、トップがいたずらにひっくり返すということです。ドラマの中で、大坂の陣に際して、豊臣方は籠城か打って出るかで意見が分かれていました。当初、真田信繁(幸村)以外の全員が籠城を選択していましたが、信繁の説得もあって毛利勝永をはじめ徐々に浪人衆の心も動き、最後まで抵抗していた後藤又兵衛も賛成しました。

 そして、大野治長、総大将の豊臣秀頼の承認を得たのにもかかわらず、それを茶々が一瞬で握りつぶしました。恐らくそこに正当な理由はないのでしょう。これでは現場の士気はダダ下がりだなと。

小日向: なるほど。確かに豊臣方の内部での混乱は、組織論やリーダーシップ論を考える上でも参考になりそうですね。現場とトップの温度差、雇う側と雇われる側の意識に大きなズレがあるように感じました。

 長い軍議だったけど、最後は籠城を促していた治長すら「打って出る」側に引き込めたのに。

編集部F: そう、だからなおさら、皆で決めた策が茶々に認められなかったのは残念無念でした。実際、浪人衆はまとまりがあったのですかね?

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