この連載では、歴ドル&信州上田観光大使を務める小日向えりさんとともに、NHKの大河ドラマ「真田丸」に登場する人物、あるいは名シーンなどを取り上げて、よりドラマを楽しめるような情報や小ネタをお伝えしていきます。連載バックナンバーはこちら。
編集部F: いよいよ『真田丸』も最終章へ突入ですね。真田信繁は「幸村」に改名し、九度山を下りて再び大坂へ向かいます。
小日向: そういえば、先週(10月9日放送)のドラマで、信繁はきりちゃんに「あなたは何もしていない」と強く指摘されていました。その点については以前、本誌の連載で私も書きましたので(関連記事)、読者の皆さんはぜひご覧になってくださいね。
編集部F: さて、先週は久々に片桐且元が登場しました。これまでドラマの中では小林隆さん演じる且元の活躍がけっこう目立ちましたね。豊臣秀吉が存命のころから石田三成とともに事務方として豊臣家を支えてきました。
小日向: ドラマの且元はいつも困り切ってお腹が痛くなっていますよね。ファンの間では三成とともに「腹痛ブラザーズ」と呼ばれているようです(笑)。
それはさておき、関ヶ原の戦い後は豊臣家と徳川家のパイプ役として奔走することになるのですが、それが災いをもたらすことになります。元々、且元は徳川家康と親交があったようで、関ヶ原の戦いの前には家康を自分の屋敷に2泊させてあげたそうです。関ヶ原の戦いは西軍側についたのですが、終戦後に長女を家康の元へ人質に出しました。こうした行動が茶々を中心とした豊臣家の人たちを疑心暗鬼にし、徳川に寝返ったのではないかと疑われるようになりました。
司馬遼太郎さんの小説だと裏切り役として描かれているので、私も最初はそういうイメージを持っていましたが、知れば知るほど、且元は豊臣家への忠誠心が高い人だったのではないかと思うようになりました。豊臣秀吉が亡くなった後、秀頼の補佐役として最後まで秀頼、そして豊臣家を守ろうとしたのではないでしょうか。けれども、家康の手のひらで転がされていたのがかわいそうです。
編集部F: 具体的なエピソードはありますか?
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