この連載では、歴ドル&信州上田観光大使を務める小日向えりさんとともに、NHKの大河ドラマ「真田丸」に登場する人物、あるいは名シーンなどを取り上げて、よりドラマを楽しめるような情報や小ネタをお伝えしていきます。連載バックナンバーはこちら。
編集部F: ついに大坂城に真田信繁(幸村)が舞い戻りましたね。それにしても、先週(10月16日放送)の『真田丸』で描かれていた城内の殺伐とした雰囲気はリアリティがありました。かつては全国から名だたる武将が集った華やかな大坂城が、今や浪人のたまり場みたいになってしまって……。
小日向: 豊臣家もずいぶん衰退してしまったなぁと感じましたね。予告編で見た幸村の老けこんだ姿には度肝を抜きましたが、爺コスプレだったんですね(笑)。実際に九度山で書いた書状の中に「去年から急に老け込み、病気がちであり、歯も抜け、ひげも黒いものは少なくなった」とあるので、それが元ネタだと思います。書状も徳川家の検閲が入ることを想定して、油断させるために書いたのかもしれません。
編集部F: そして、徳川家康にとってもいよいよ最後の大仕事に取りかかるわけですが、大坂の陣のころには既に将軍職を徳川秀忠に譲っているのですね。秀忠はどんな人物だったのでしょうか。
小日向: ドラマではかなり頼りない感じで描かれていますよね。けれども最近は凡庸ではなく、中庸だったという評価がされています。父・家康と、子・徳川家光の間に挟まれて地味な存在ですが、鎖国政策の礎と築くために外国船寄港を平戸・長崎に限定させるなど、いろいろな政策を打ち立てました。
また、福島正則など外様大名の家臣には容赦なく転封や改易を行いました。それだけでなく、徳川家の忠臣だった本多正純も出羽国・横手で幽閉させるなど、かなり厳しく罰せました。
けれども、何だかんだ言って真面目な人だと思いますね。家康には側室が15人いたのに対し、秀忠は表向きには側室がいないということになっています。
編集部F: 浅井三姉妹の末っ子、江姫ですね。
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